昨日へ    2002年08月05日   明日へ

 

今日の僕は、尾道にいます。午前の飛行機で、仙台空港から広島空港に降り立ち、空港から最寄りの鉄道の駅・白市に行き、普通電車で尾道へ。ホテルに荷物を置いて、散策しました。

尾道と言えば、大林信彦監督です。「転校生」が、すぐ頭に浮かびます。上の写真は、小林聡美が転がり落ちて、男の子になっちゃった階段です。坂道だらけの町。小樽を少しだけ思い出しました。でも、ここは、全部小径。人間が、うんしょこどっこいしょと歩かなくちゃいけない、そんな昔ながらの町です。ほとんど人の家の庭じゃないかと思われるようなところを歩きました。家の中から、テレビの音が聞こえます。水を打ちながら、隣りの家の人と誰かさんの噂話をしている声が、蝉の声と一緒に響きます。猫が、道の真ん中で背中をかいていて、僕に気付いたら、じろりと見ただけで、また背中を気持ちよさそうにかいていたり...。暑かったので、缶ビールを買って、道端で飲みました。自由の味がしました。古本屋に入りました。おじいさんが、優しいことばで、どこからきたんじゃい?と聞きました。僕は、おじいさんのことばが、よく聞き取れず、3回も聞き返してしまいました。
「みやぎから来ました。暑いですねぇ」
「ああ、遠くからよくきたのぉ(...いうようなことば)」
ああ、西日本のことばだなぁと感じました。

あちこち歩いて、夕方になり、僕は向島に渡りました。船です。日常の中の船。野球のバットでノックしたら、球が届きそうなくらい、すぐそこなんです。ほんの数分で着きます。でも、何だか嬉しかったな。向島から、ピンクに染まる雲と本州の尾道を眺めながら、まるで海が、家の庭でおとなしくしているようだと感じました。

昼ご飯は、尾道ラーメンでした。夕飯は、何かお魚でも食べようと思っていました。どこに行けばいいかなと少しだけうろうろ。心配なくらいがらがらの居酒屋がありました。入って、奨められるまま、イカの煮付けと、茄子の煮付け、タコのぶつぎりをいただき、ビールを飲みました。ん〜、あんまりおいしくなかった、残念。ラーメンでも感じたけれど、どうも濃い味は、僕に向かなくなったようです。口直しに、またラーメンを食べ、ホテルに戻りました。去年の沼津のように、いい店にすぐ巡り会うとは限らないもんじゃのぉ。