昨日へ     2003年08月02日   明日へ

下北・佐井村の願掛岩で目を覚ましました。もやが漂っている空を見上げ、もやが明けると一気に濃い青空!...か、またはずっと明けずに雨降りツーリングだなぁと、ため息をつきました。簡単に朝食を済ませて、さあ仏ケ浦に向かいます。

下北半島の刃の部分は、険しい道です。ぐにゃぐにゃ曲がります。曲がるだけでなくて、アップダウンが激しいんです。天気がいい日で、荷物も少なけりゃ、バイクを操っている快感に浸れるのですが、今日は見通しが全然ないし、荷物満載の二人乗り。そっとそっと走りました。途中、猿たちが駆けていきました。仏ケ浦入り口に着きました。歩いて旅したとき以来初めて下まで降りました。

歩いて旅していた20歳のとき...佐井の砂利の山道でアブやブヨに襲われ、僕は真夏の熱さの中、雨具の上下着用を余儀なくされていました。何せ、ジーパンの上からも容赦なく彼らは血を吸うのです。雨具のおかげで、汗でぐちゃぐちゃ。袖のゴムをそっと広げると、貯まった汗がじゃっ!と出ました。僕は、国道からすぐ降りたところに仏ケ浦があると思い、どんどん山道を降りました。けれど、下るばかりでなかなか仏ケ浦はない。僕は、この道を再び上がって、アブブヨが待っている道に戻りたくないなぁと、考え始めました。しかも、あんまり進み方が遅いと、人家のある脇野沢まではたどり着けず、最悪の事態としてはアブブヨの中、しかも熊出没注意エリアの中で、テントを張らなくてはならないことになってしまうのです。それだけは避けたい!と考えつつ、仏ケ浦の道を降りたんです。仏ケ浦には、ブヨアブは全然いなくて、かわりに観光客がいっぱいでした。僕は、異様な雨具姿から、半そで短パンになりました。仏ケ浦には、観光船が着きます。僕は、脇野沢まで船で行けないかと思い、船着場のおじさんに相談しました。もう船はないということでしたが、僕の話を聞いたおじさんは、何とかしてやると、少し分からない青森の方言で話し、僕を小さな磯舟に乗せました。そして、船外機を回して、沖に出て、エンジンを止めました。佐井から脇野沢へ向かう(仏ケ浦には停まらない)観光船の進行方向にぽつんと浮いた磯船。その上には、おじさんと僕。「お〜い!」と、おじさんは観光船を停止させました。船員に話をして、僕を観光船に乗せてくれました。船へのヒッチハイクです。他の観光客が「何かあったのか?」と奇異な視線で僕を見るのを感じつつ、僕は歩くはずだった道のある険しい森を眺めました。そうそう、船賃は払いませんでしたっけ。

...という思い出の仏ケ浦。何度もバイクで入り口までは来るものの、そんな思い出ゆえに、山道を降りることは今までなかったんです。今回は、連れ合いぴよさんと一緒。二人で山道を降り、仏ケ浦にたどり着きました。朝早かったので、観光客はまばら。船もありません。ああ、あのときのおじさんは、元気でいるかなぁ。

汗をかきかきバイクに戻り、また視界の悪い道をゆっくり走りました。脇野沢までの道は諦め、川内に向かい、川内経由で脇野沢に行きました。もやはしだいに雨になり、青空をすっかり諦めました。

野猿公苑の前で、ホタテ丼と焼干しラーメンを食べ、猿たちを見ました。猿たちが、雨の中、静かに静かにしていました。少し寂しい感じ。

それから恐山に行くべく陸奥湾の道を走ったのですが、僕は眠くて眠くてたまりません。川内の立派なバスステーション。神さまに感謝しつつ、その中の畳の上で仮眠を取りました。ほっとしました。それから、大湊へ行き、恐山に上がりました。雨の中のぐにゃぐにゃ道は、やはりしんどかった。

恐山。何度訪れたことでしょう。観光客ぴよさんと一緒なので、血の池のほうまでぐるりと回りました。カラスに餌付けをしている人や、お地蔵さんの涎掛けみたいな奴を取り換えたりしている人がいました。もちろん、お風呂にも入りましたよ。

ぴよさんが電話で予約してくれた大湊の旅館に向かい、荷物を下ろして、一休み。今日は、大湊のねぶた祭りなんです。夕方から、にぎやかな祭りの中に入りました。

青森のねぶたとは、ちょっと違うんです。青森のねぶたが、仙台の青葉通りだとするなら、大湊は、仙台の木町通りって感じ。人の顔がよく見えるお祭りでした。しかも、小さい子から、中学生、高校生もいっぱい参加していて、それがきっといいんだろうな。祭りを楽しみ、いっぱい写真を撮り、祭りの後で、ご飯を食べて、ビールを飲んで、スーパーであれこれ珍しいものを買って、寝ました。何日ぶりでしょう、何の不安も緊張もなく、深く深く眠りました。

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