今日は、中野七郎さんの奪還報告集会の日です。僕は、学校を終えてから、まっすぐバイクで仙台に向かいました。今日の集会には、絶対に参加しなくちゃ!と思っていました。以前にも書きましたが、中野七郎さんの事件のことを記しておきますね。
東北大学は、老朽化した自治寮・有朋寮を、閉鎖しようとしています。学生はまだ住んでいるし、替わりの寮の建設もありません。この不景気な中、誰もが賃貸アパートを借りられるわけではありません。誰でも大学で学べるように、寮はあるんです。それを、東北大学は、一方的に取り壊そうとしていて、おまけに学生に無期停学などの処分をしてきています。
そんな状況の今年の春 3.28に、東北大学の教職員50名が、寮に押し掛けてきました。それを監視していた市民の中に、中野七郎さんはいました。中野さんは何もしていないのに、中野さんの前で、農学部の西森という教授は自分から尻もちをつきました。「倒された!」「頭を打った!」と叫んだ西森教授。教職員たちは、「被害届だ!」「暴力事件だ!」と騒ぎ、いっぱい写真を撮りました。でも、その場で何かあるわけでなく、そのまんま。救急車が来るわけでも、警察があれこれ言うということもなかったんです。西森教授は、普通に歩いて帰りました。
それから、何の音さたもなく2ヶ月が過ぎ、6.02に中野七郎さんの家に突然家宅捜査、そして逮捕ということになりました。一度も事情聴取もなく、突然です。容疑は「加療約1週間の後頭部外傷」。6.20には起訴され、8.20の保釈まで、80日間拘留されていました。
今日は、そんな中野七郎さんの集会だったんです。会場は、たくさんの人でいっぱいでした。中野さんのお話がありました。僕が聞いていて印象的だったのは、房の中での、出会いのことです。
いろんな方が、逮捕され、不安になり、房の外のいろんなことを心配するということ。家の猫は大丈夫だろうかとか、付き合っていた彼女とはもう駄目かもしれないとか...。中野さんが、手紙を書くことを勧めて、離れつつあったカップルが面会や文通を通して、むしろ強く結び付いていった話。ああ、人生だなぁって感じました。「逮捕!」なんて言ったら、「もう全部おしまい」みたいですが、決してそうじゃないんですよね。
これまで、いろんな市民活動・労働運動の中で、中野七郎さんを見てきて、またアドバイスを受けた者として、温かにそして穏やかにお話する姿に、尊敬を感じつつ、自分も真っ直ぐに生きていかんといけないぞ!と、思いました。
現在、裁判が進んでいます。8.14に第1回公判。8.25に第2回公判。8.25の警察官への証人尋問では、被疑事実の場面が証拠のビデオには映っていないことや、大学がビデオテープ8本・写真ネガ19本という多量の映像を警察に提出していたことが明らかになっています。何だか、転ぶという「事件」が、予定されていたかのようです。
次回公判は、9.29(月)13:30より 仙台地裁にて。いよいよ西森教授の出番です。注目です。時間が許す方は、是非傍聴に駆けつけてほしいと思います(傍聴券が必要になると思われます。12:30までに行ったほうがいいです)。
詳しいことは、有朋寮のサイトに行ってみてください。http://www.ufo.ac/
写真は、8/19福島の水族館のトドくんです。