ここのところ、テレビで柔道の試合を見ています。世界柔道in大阪です。僕は、昔柔道をやっていました。いやいややっていました。そんな頃のことを、連れ合いぴよさんに話したりしながら、見ていました。
小学3年か4年の頃、あの日は雨が降っていて、僕は雨で窓枠に水がしみているのを眺めながら、生返事をしたのでした。「kちゃんとtちゃんが、末広で柔道習いたいんだって。それであの子たちまだ小さいから、一緒にバスに乗っていってほしいって言われたんだけど、いいよね」
既に卑屈で陰気で、みんなと一緒に野球に混ざらない、いじめられっこ的な自意識で固まっていた僕は(柔道なんて...)と思いながらも、夕方に、バスに乗って、しかも親と一緒じゃない...という魅力を少しだけ楽しみにしました。
しかしながら、闘争心も向上心もなく、ただ見栄だけの人だった僕は、当然柔道が得意になるわけでなく、それでいて一緒に習い始めた妹はとても強く、僕は「○○ちゃんのおにいちゃん」と呼ばれ、またまた傷ついていました。○○ちゃんとは、妹の名前。僕は、強い妹の、弱い兄という位置づけでしかなかったんです。それは辛かったな。でも、柔道帰りに、バスに乗らずに歩いて帰り、バス代でこっそりベビースターラーメン(10円)を買い食いした思い出などは、ほんのりと少年時代の香りです。ああ、あの頃、バスを降りるときのボタンを争って押したもんだったなぁ。ああ、あの頃、夕方の末広では、鉄工場の鉄を切るガスの炎が青かったなぁ。
写真は、2002.07.27に訪れた、北海道は歌志内の大正館。昔を思い出させる世界です。