昨日へ     2003年10月18日   明日へ

朝2番の上り列車で仙台に行き、新幹線で東京へ向かいました。上野の都美術館で、独立展をやっていて、それを観に行くためです。独立展には、母さんが出品していて、今日なら母さんと一緒に観ることができる。僕は、上野駅から、歩き慣れた美術館への道を行きました。美術館の売店にいたら、母さんが来て、一緒に独立展を観ました。

率直に言って、会員の作品にパワーは感じられず、むしろ公募展ゆえでしょう、選出された作品・入選作のパワーに、躍動感を感じました。作家として出品している母さんは、いろんな作家の作品について話してくれました。僕は、いつも何かを感じる作品の前ではゆっくり、何も感じられない作品の前はどんどん素通りするほうなので、今回は比較的じっくりと観ることができました。

母さんの作品の前に、かなり長い時間いました。直したほうがいいところ、大切にしたいところ、あれこれと、生意気に語りました。まあこれは、中学生の頃からのこと。語れば語るほど、自分で描きたくなります。ああ、僕も何かしなくてはいけない。

上野で、母さんと食事をしながら、あれこれと話をすることができました。母さん、ありがとう。ああ、息子というよりも、美術を愛する同士として話し合えた気がするよ。感謝です。

午後の飛行機で帰る母さんを飛行場まで送ろうとしましたが、母さんは、僕は僕の時間を過ごしたほうがいいということで、山手線を二駅だけ一緒に乗り、秋葉原で降り、手を振りました。中央線に乗って、お茶の水で降り、中古ギター屋さんを巡りました。古くて安くて、しかも珍しい紅いギブソンのエレキギターが少し気になりましたが、やめました。秋葉原に戻って、Mac屋さんをパトロールし、新幹線の中で仕事をするために背負っていたiBookの内蔵ハードディスクを速くて大きいものに換えました。いつもPOWERBOOKの場合、HD交換など、自分でしていたのですが、iBookは手ごわいので、お店に頼みました。ああ、頼むという手があったのかと、今更に気付き、新鮮でした。

秋葉原には、たくさんの人がいて、雨が降って、いろんな言葉が聞こえていました。みんな、家に帰ったら、布団で寝るんだろうな。みんな、小学校の思い出があるんだろうな。みんな、いつかお爺さんお婆さんになるんだろうな。歩道のガードレールに寄りかかり、しばらく人の流れを眺めました。

暗くなる前に家に帰るつもりをしていたので、預けたiBookを受け取ってからは、急ぎました。5:20に秋葉原にいた僕が、5:37の東京発の新幹線に余裕を持って乗れたのには、驚きました。ああ、都会なんだ。

国境を越える旅の本を読み、いつもの介護帰りよりは早く、松山町に着きました。列車を降りると、空気がしんとしていましたが、きっと東京では人が流れていたことでしょう。

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