昨日へ     2003年10月21日   明日へ

卒業文集の準備を進めています。卒業アルバムと一緒に一冊になる文集です。1ページ2段が、一人あたりの持ち分なのですが、狭い中ではあるものの、今までのこと(小学校時代の思い出)・これからのこと(将来の夢など)を書くように、話しています。思い出は、具体的なエピソード一つで十分だよ、と話しています。修学旅行でどこに行ったかなどは、別にいらないのです。

将来のことは、就きたい職業なんかじゃなくていいよ、と話しています。「どんな大人になりたいか。」なんです。これは、漠然としていてもいいと、思っています。将来大人になった自分が読んだときに、何かを気付いたり、勇気付けられればいいだろうなと、考えています。

「どんな大人になりたくないか。」も書くように言っています。これは、僕自身がここのところ、よくよく考えることなのです。12歳の僕は、自意識過剰な内向的で無口な少年でした。「彼」は、プライドばかりは高かったので、そして本だけばよく読んでいたので、あれこれと考えたりはしていたのです。12歳の僕は、早く大人になりたくてたまらなかった。早く自立して、一人で生きて行きたかった。あれこれと干渉されたり、保護されたり、ましてや管理されたくはなかった。大人になりたかったくせをして、大人はいつも「敵」だった。しかも、子どもも味方ではなかったから、孤独だった。孤独が嫌な癖をして、孤独を味わっていた。自分の世界の中だけで、かっこつけていた。...「彼」は、今の僕に会ったなら、何と言うだろう? がっかりしたり、「裏切られたよ」などとは言わないだろうか? 「時代」などという都合のいい言葉で、流されている自分を正当化させていないだろうか? そんなことを考えるのです。

みんなに伝えたことは、もう一つあります。それは「なりたい自分になれるんだよ」ということ。12歳のみんななら、何にでもなれる。無理なことは、一つもない。38歳の僕だって、いっぱい夢があるし、それを諦めていない。ましてや、みんなは12歳。時間がある。可能性がある。職業のことばかりではなくて、全てに渡って「なりたい自分になれるんだよ」ということ。明るい人にも、強い人にも、楽しい人にも、賢い人にも...絶対になれる!

小学校に入学したとき6歳。それから低学年棟で3年、高学年棟で3年。今12歳。これから、同じように中学校で3年、高校で3年を過ごすと、みんなは18歳。もう大人だ。そう考えると、12歳はまるで、子ども時代のターニングポイント。そんな「今」を、限られたページではあるものの、記録し、きっと未来への力にさせていきたいと、思っているのです。

写真は、去年の夏に夕張・鹿島で会ったキタキツネの子どもです。今頃、どうしているだろう。

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