昨日へ     2003年11月04日   明日へ

夜、夢を見て、起きました。たぶん、うなされていたわけではないと思います。昼寝をしてしまったのが、よくなかったのでしょうか。僕は、結局いそいそと起き上がり、文章を書きました。こんな文章でした。

たぶん、夢だ。f2ちゃんがいた。こっそり新しいBMWのバイクを見せてもらったと言っていた。そして、そのイラストを描いたと、彼女は言った。タクシーの窓の外は、都会。異国のイメージ。ああ、それはよかった。君なら、きっと上手に描けただろう。きっと雑誌に載るだろう。こっそり本物を見ながら描いたのは、ルール違反だけれど。と、僕は静かに応えた。タクシーは、とても速く走っていた。

そこは、学校だったのかもしれない。けれども、すぐに撤退した仙台のソフマップの最上階でもあるようだ。黒い服を着たアメリカ人は、「サーバーを貸してほしい」と言う。僕は、それを、レジの人に伝える。みなが親切で、ことが敏速に進む。お爺さんが、カメラを貸して欲しいと言う。英語で言う。僕は、英語で話し、レジの向こうの社員のところに行く。奥のブースには、パレスチナの会のiさんがいて、僕は大きなカメラを貸して欲しいと、お爺さんが言っていると、英語で話す。ああ、分詞構文から一歩前に出たと、自分を少し褒めた。

サーバーを借りた男性は、その後の仕事は、何とも早かった。オンラインにすると、部屋のあちらこちらに設置されていた警報装置から、草刈り機の丸いのこぎりが現れて、自動的に自らを切断した。風が起き、部屋中のカーテンが壁に押し付けられ、カーテンの後ろに隠れても、簡単に見つかる。あらゆる警報装置は、あらかじめのこぎりの歯を隠し持ち、自らを切断する予定になっていたのだ。僕は、命の危険を感じる。あのサーバーの男は、殺人者なのだ。いつの間にか、人は少なく、隠れるところがないまま、エレベーターに走る。幸いにも、エレベーターは口を開けて、待っていた。僕は、その内側の壁が、僕一人を隠すには狭過ぎることを、見た途端に悟った。後ろから走る人の音。追ってくる人の音が近づいている。エレベーターに入り、下の階に行こうとするけれど、別の逃げる人が来て、ボタンを押す。エレベーターのドアは、閉まらない。そこへ、ピストルを持ったサングラス男がやってきて、その人を殺す。ああ、僕の前で殺される。殺されたところで、どうやらエレベーターは、下の階に降りることができたようだ。

吹き抜けの上を見上げても、全てが赤と黒だ。窓の外に、外はなく、全てが赤と黒。人は、追ってこない。けれども、誰もいない。誰にも会えそうにない。床は、溶岩のようだ。冷え固まった溶岩。あの利尻の海岸の、摩擦係数の高い、そして起伏に富み、不思議と自然にステップを踏ませる、あの溶岩の床だ。僕は、歩かずに、軽いステップを踏みながら、下のほうに降りていく。見通しはないけれど、足がそちらを選ぶのだ。

防火壁の隅に、小さな扉があった。取っ手を引っ張り出して、回す。その取っ手は、学校の高学年棟を開けるものと同じだが、チタン色に光っていた。僕は、そろそろ疲れていたので、開けたら、そこが日常であることを、期待した。けれども、開けたところは、また赤と黒の世界。誰もいない。誰も、追ってもこない。戻る選択はなく、僕はまたステップを刻む。

行く先は、外ではない。ならば、内? そう、まるで鼻孔のようだ。鼻の穴の奥の、マングローブの迷路。どんどん狭くなり、ときに広くなるけれど、解放の見通しはない。どちらが上で、どちらが下かも分からない。地底と呼ぶなら、地上はあるのか? ない。僕は、次第に本当に独りぼっちになったのだと、口に出さずに自分に言い聞かせた。ふと、夕張の旭町の家を思い出す。ああ、母さんも父さんもいた。冬の寒い便所を思い出した。寝ている妹の布団を静かに踏んづけて、便所に行くイメージ。はっとした。それは、過去だ。それは、思い出だ。もう、そんなものはない。そう言い聞かせた。

そんなところで、僕は目を覚ました。やっぱり夢だ。頭の中を整理する。強い風の音が、外からする。西からの風だ。僕は、なぜだか知らないけれど、あの政治家なら、核弾頭ミサイルのスイッチを押しかねないと思った。まるで、夢の続きのように、ふと思った。憲法を変えるとは、戦争をするということ。戦争をするということは、殺される不安を抱き続けるということ。僕は、女川原発にミサイルが落とされることを思った。あの政治家なら、アメリカにだってなれると思っている。絶対安全保障のために、僕の自由を、いや命さえ、奪うかもしれない。「平和」の保障のために。

僕は、布団の中で、亡命を思った。それは、故郷を捨てるということ。部屋もそのままに、家族にも知らせず、誰にも何も言わずに、国境を越えるということ。国境を越えても、何の保障もない。けれども、そうせざるを得ないほどに、自分の故郷が暮らしていくことができないところになってしまうということ。世の中には、亡命した人、難民にさせられた人、殺された人、拘束・隔離された人が、いっぱいいる。ああ、それはみんな、戦争のためだ。ああ、それはみんな権力者のためだ。あの政治家なら、核弾頭ミサイルのスイッチを押しかねないと思ったら、僕は眠り続けることができなくなって、深夜の部屋でキーボードをたたく。ああ、命を賭けるということ...を、何となく分かり始めている。「時代の流れ」というあきらめ呪文を、唱えてはならない。12歳の少年少女に僕は言う「なりたい自分に、絶対なれるよ」と。そしてそのまま、僕は自らに語りかけよう。「戦争は、絶対止めることができるよ」と。

今日は、学習発表会の振替休業でした。結局、上の文章を書いた僕は、明け方にまた眠り、いつもよりも遅くに起きました。あれこれ文章を書き、本を読み、昼過ぎに、為替を持って郵便局に行きました。実のところ、ある出版社に大変な迷惑を掛けていて、平日の今日を待っていたんです。ところが、為替を持っていったものの、再交付されていて、結局それは無効。いやはや、すったもんだしました。郵便局で照会している間に、不在者投票を済ませ、鹿島台で買い物をし、結局のところ、家で再交付された為替を発見し、4時ぎりぎりに郵便局へ。ふぅ〜、ちゃんと整理整頓、慌てぬ日々を送らないとな! 三本木の三峰荘に行き、温泉に浸かり、6時に帰ってきて、夕飯の準備をしました。無性に羊が食べたくって、今日はジンギスカン。ただし、夕張でやるみたいに、ジンギスカン鍋を囲むんじゃなくて、フライパン。...でも、何ででしょう。ジンギスカンは、いくらでも食べられるんだよなあ。

写真は、2000年2月の夕張での一コマです。なぜだか分からないけれど、夢の中で夕張はよく出てくるんです。しかも、旭町ばかり。なぜなんだろう。

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