僕が教員になって、15年になります。たくさんの子どもたちに会いました。たくさんの人と出会い、たくさんの経験をしました。きっと僕は、成長していると思います。そして、最初に出会った子どもたちは、もう子どもじゃなかったりします。15年って、なかなか長いもんなんです。
さて、15年と言えば...です。ああ、敗戦までの15年は、きっと長かっただろうなぁ。しかも、今なら1945年に戦争に敗けることが分かっているものの、そのときを暮らしている人にしてみれば、きっと永遠の向こう側だったに違いありません。僕が教員になった年に戦争が始まり、四つの学校で自己紹介の挨拶をして、三つの学校で感謝を述べつつ別れを語り...それでもまだ戦争は終わっていなかった...とは。「15年戦争」と、一言で語り尽くせぬものが、あります。
そんな今にありながら、僕たちは15年後にどこにいるのでしょう。この戦争の日々が、管理監視の日々が、きっと失敗の過去として語られ、抑圧・支配から解放された大らかな日々を暮らしていけるよう...きっと希望を諦めまいと、そんなことを思うこの頃です。
写真は、1985年にテントを背負って下北半島を歩いて旅したときの一枚です。尻屋岬手前の岩屋の保育園裏でテントを張ったときに撮ったもの。あのとき、郵便局のところで子どもたちに会っていなかったら、僕はここで泊まることはなかったでしょう。あのとき、岩屋の子どもたちと楽しい時間を過ごしていなかったら、僕は教員になっていなかったかもしれないと、そんなことを思うことがあります。感謝です。ああ、あの子たちも、もうきっと30代になろうとしていることでしょう。