昨日へ     2004年04月08日   明日へ

始業式です。新学期がスタートです。子どもも大人も、緊張感漂う、ぴりっとした空気。でも、決して冷たくはない。そんな感じです。朝の打ち合わせ前に、みんなの様子を見に行きます。「担任?」「...じゃないよねぇ〜」などと、あれこれおしゃべりです。「○年生になってね」と頼まれたりもするのですが、そしてうれしいのですが、もう決まっているんですよね。あちこち巡りながら、ちゃちゃ入れながらも、さすがに本当に担任する学年の教室には行きませんでした。何かの事件の犯人が、捕まる前に、よく現場に行くという話を聞いたことがあります。別に僕は犯人じゃないんですが、今朝の僕はその逆で、現場には行けなかったんだなっ。あの教室に行って、強力なみんなに取り囲まれて「担任でしょ!」と問いただされたら、きっと嘘を付けなくなっちゃう! 僕は、他の学年をうろうろして、緊張する気持ちを紛らわせました。しばらくぶりのみんなとのおしゃべりを、楽しみました。ああ、やっぱり子どもあっての学校だよなぁ〜

さて、着任式、そして始業式。校長挨拶、児童代表の抱負などの発表。そして、いよいよ担任発表。この仕事をしていて、この瞬間ほど、おっかないものはない! ドキドキです。

「3年生の担任の先生は、○○先生です」 その瞬間の子どもたちの顔。ああ、よかった。喜んでいる子がいて。ああ、よかった。苦しそうな様子が、感じられなくって。...今年度、僕は3学年の担任になりました。3学年16人。ずっと、僕は片思いだったんだよなぁ。一昨年、6年生を担任していたときの1年生だったみんな。それはそれはよく6年生と遊んでいて、うんと身近だったんです。はきはきして、パワーがあって、丁寧じゃなくおとなしくない思いやりに、僕はいつも感動していました。もう、大好きなんですよ! ああ、よかった、受け入れられたみたいで...。

始業式の後、教室です。渡すものがあれこれあり、ひとまずは渡します。今日は、入学式もあるので、みんなすぐに帰るんです。うんと限られた時間の中で、今年のめあてなどを話します。今年度のスタートを切るんです。

まず、3年生のみんなのことが大好きだったんだよ!という話をしました。「本当は、去年も一昨年も、担任をしたかったんだ。大好きだったんだ。だって、元気あるし、優しいし、いろんなことにみんないっしょ懸命だし。みんなが、入学したときから、いや、一日入学の頃から、私はみんなのことを知っているんだよ。いいなぁって、思っていたんだよ。だから、担任になれで、うんと嬉しいです。やったぁー!って感じです。」

次に、学級通信の中に書いた、僕のめあてを話しました。「私のめあては、はっきり叱る・はっきり褒める・はっきり謝るです。みんな知っていると思うけど、怒ったら、私、怖いよ。でも、だらだら長くは叱りません。悪いことをしたら、ちゃんと叱ります。すてきだったら、がんばったら、はっきり褒めます。今年も、いっぱい褒めるからね。うんと感動したら、ぶっちゅうしちゃうかもしれないよ」ここで、みんなから「おぇ〜」と間の手が入るのも、これまた例年通りですなっ。「私は、はっきり謝ります。みんなのことを大切にしたいから、みんなに対して、失礼のないようにします。間違ったら、ちゃんと謝ります。だから、みんなも失敗したら、謝ってくださいね。そして、同じように、私が失敗したら、叱ってください。よかったら、褒めてね。私は、みんなを大切にしたいです。だから、はっきり叱る・はっきり褒める・はっきり謝るというめあてで、今年1年頑張ります」

そして、めあてのこと。これは、もう何年も何年も続けているやつですな。「うんとレベルが高いみんなだから、去年の6年生に話しためあてとおんなじことを、めざしてもらいます。これ、うんと大事。そして、力のあるみんなには、目指してほしいです。黒板に書きますね。《自分のことは、自分で(   )》さあ、この(   )には、何が入ると思う?」...これまた例によって「する」とか「やりとおす」とか「努力する」とか、いっぱい出ました。「おしい!」とか「もっとレベルの高いことです」とか、僕は言いました。結局、これまた例によって、口ぱくでヒントを出しました。2回くらいやると、分かり始めます。いっぱい手が挙がります。半分以上の人が、「はい! はい!」「わかった!」と言うころ合いに、回答。「《自分のことは、自分で決める》 命令を待っていたり、命令したりするんじゃなくて、自分で考えて、判断をする、そういうトレーニングをしていきますよ。私は、君たちのことを、うんと信用しています。だから、自分の行動に責任を持ち、自信を持てる、そんな人になってくださいね」

そろそろ帰る時間になります。宿題です。「さて、宿題です」 すると「え〜!」の声。これも予想通り。「呼ばれたい名前を明日まで、考えてきてください。自分のことなので、自分で決めてくださいね」 少しほっとした顔。「もう決まってるよ!」の声。にやにや顔。そして、気持ちいい、元気な声で「さようなら!」 そして、べとべとくっついてくる人たち。

ああ、一緒に遊びたいところだけど、今日は、これから入学式。「ごめんね。じゃあ、また明日!」と手を振りました。ああ、始まったぞ!という実感です。

3年生のみんなに手を振って、今度は入学式。あれこれの準備に走り回ります。新1年生には、兄ちゃん姉ちゃんを担任したことのある顔触れもあり、「おお、いよいよ小学生だねぇ」って感じ。彼らも、そんな対応。なかなか、パワーのある1年生って雰囲気です。入場の補助に入り、わいわい言っていたのが、ぴりっとして、入場。本番に強い系。入学式が始まりました。呼名などがあります。挨拶があります。でも、入学式のメインは、やっぱり2年生の迎える言葉です。今年の2年生は、6名。どんな感じかな?と思っていたら、やっぱり感動的なアトラクションでした。一人ひとりが、みんなの前で自己紹介をしながら、小学校のことを紹介。「どっきどきどん1年生!」の歌も、大勢の前で、6人で歌いました。ああ、いい感じだぁ。僕は、感動です。子どもが成長して大人になるのですが、大人が子どもに負けてしまうものって、いっぱいある。今日の6人の姿、パワー、温かを、大人が替わりに何とか表現しようと思っても、たぶん無理です。かけがえのない、2年生のパワー、温かさ。素敵でした。入学式のアトラクションを終え、去年の1年生は、いよいよ2年生になったって感じです。写真は、そんなときの1枚です。

さて、お昼ご飯を食べ、次は中学校の入学式です。僕は、去年の6年担任ゆえに出席です。保護者の方に、卒業写真を渡すつもりだったので、早めに学校を出ました。中学校の会場に、保護者のみなさんは、もう入っていました。入り口から入ると、すぐに手を振ってくれて、嬉しかったな。ほとんどが違う小学校出身の保護者のみなさんの中、髪の毛の長い「あの人、何者?」って、思われそうな僕が、あちこちでお話ししながら、写真を渡していて、きっとしばらくしてから「ああ、○○小の先生なのね」って感じだったことでしょう。久しぶりにお会いした保護者のみなさん。その温かさに、またまた感謝です。1学年の担任の先生を知り、ほっとしている保護者の方。ああ、いよいよだなぁって気持ちになります。

新入生の入場。制服を着たみんなは、なんだか遠くて、少し寂しい。名前を呼ばれて、返事をするその声を聴きながら、心の中で「ほら、大丈夫だ」とつぶやく。ずっと、みんなの後ろ姿を見ていました。ああ、髪切ったんだ...とか、背がまた伸びたみたい...とか、同じ名前の人がいるから、このクラスで何って呼ばれるだろう...とか。だんだん遠ざかる小学校時代って感じ。スピッツの古い歌が、頭の中で、ぐるぐるします。

誓いの言葉は、僕が担任した少女。彼女らしい、落ち着いた話し方、文章。感動したよ。ああ、本当に真っ直ぐに歩んでいくんだね。そう感じた。去年の今日からの1年間を、いっぱい振り返りました。そう、去年の今日、小学校の始業式。担任発表で、彼らは「げっ!」という顔をしていました。声も出ませんでした。僕は、歓迎されていない空気を感じ、怖い担任になってしまったという表情を見つけ、仕方ない、厳しくスタートを切ろうと、決意したのでした。いっぱい厳しい要求をした。いっぱい叱った。いっぱい悩んだ。いっぱい疲れた。けれども、去年の1年は、本当にみんながぐいぐいと成長する様がよく見えて、感動した。頼もしく、温かく、かけがえのないチーム。別れたくなくて、たまらなかった。そして、今日は入学式。退場していくみんなを送り、保護者のみなさんともっとお話をしたかったのだけれど、来賓退場で、先に会場を後にし、僕は「終わった!」と、ピリオドを打つ思いでした。

そう、終わったんです。さようならです。でも、さようならの寂しさは、3年生16人のにぎやかな顔ぶれを思い出すと、前へ進めるんだなっ。振り返らずに、前へ進める、そんな気持ちにちゃんとなっていますよ。

ああ、まさに出会いと別れだ。泉谷しげるの古い歌が、バイクのヘルメットの中に流れます。春夏秋冬のまさに「春」の今日です。

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