昨日へ     2004年04月11日   明日へ

意気揚々とは、こんな感じでしょうか。釣りです。昨シーズン、釣りに出掛けたのは、0回です。一昨シーズンも、0ではないものの、数回だったはずです。かつて、白石で暮らしていた頃には、2月末には3月1日の渓流釣り解禁を指折り数え、秋には宮城県よりも禁漁が一ヶ月遅い福島・会津に遠征して、釣りざおを振っていた僕だったのに、それはそれはもう、全然行けない日々が続いていたんです。理由は、家が渓流から遠くなったこともありますが、何といっても仕事の持ち帰りの多さ! それから、6学年ゆえのストレスは、少なくなかったと思います。とにかく、全然渓流に行けなかったんです。そんな僕としては、今日は、それはそれは意気揚々なのです。

どこに行こうかと、迷いました。松山町からだと、これまでの経験上、漆沢・切込・中山平・花山...といった選択肢です。迷った末、花山にしました。人が最も少なそうだから。いつもの道を行きました。岩出山・池月経由です。途中の川北では、梅の香りを窓から入れました。

さて、川について、10年使ったウェダーに穴が開き、新品ウェダー。いゃあ、待たせたねっ。いつもの場所で、川虫くんたちを捕ります。ああ、いるいる! カワゲラ系が多い春です。僕は、なかなか針持ちがよく、しかしながら川底にしがみついちゃって、魚の当たりとまぎらわしくなってしまう彼らを「にぎやかくん」と呼んでいます。六本の足で、いつもうじゃらうじゃらとにぎやかだから、にぎやかくん。

若芽の出ていない森は、見通しが良過ぎて、何か寂しいくらいです。ウグイスのさえずりが、ときどき聞こえる他は、川の音ばかりです。久しぶりなので、木の枝に引っ掛からないように、そっと竿を振ります。すぐに当たりがありました。小さい当たりです。少し我慢してから、掛けましたが、逃げられました。何というか、全然悔しくないんだなっ。川に来て、魚とやりとりをしていることだけで、めちゃめちゃ幸せ。僕は、どんどん川を釣り上がって行きました。

いつもの川ですから、次にどんなポイントがあるかは、全部分かっているんです。どこで川虫くんたちを補給するかも、計算するまでもないんです。ああ、川に帰ってきたよ。結局、ヤマメを3匹、イワナを1匹釣りました。けれども、みんな食べちゃうには、申し訳ないくらいの未成年。さようなら!と、川に返してしまいました。写真は、そんな中の1匹のヤマメです。

いつもよりも少し、奥に入りました。最後の1匹を、記念すべき大物をゲットしたかったんです。岩と岩に囲まれた渕。いかにもいそうな感じ。僕は、左側の岩をそっと登り、ポイントを探ります。ほとんど崖だったので、落ちないように気をつけながら、でも魚たちに悟られないよう、移動します。岩から岩へ飛び移るとき、竿を納めればよかったのに、面倒くさくて、片手に持ったまま、飛びました。ずるっ!と川に落ちそうになり、岩を左手で、がしっとつかみました。ん? ああ、やってしまった! 親指の根元がぱっくりと口を開けています。血が、どくんどくんといいました。あいゃあ、仕方ないなぁ...。僕は、魚に悟られても仕方ないルートで岩を降りました。竿を納めて、川を上がり、車に戻りました。血がどくんどくんしているので、止血をしたほうがいい。手ぬぐいでぎっと縛ろうかと思ったのですが、ちょっとお気に入りの手ぬぐい。血で汚れるの、嫌だなぁ。車まグローブボックスに、どっかでもらったウェットティッシュがありました。それで、ぎゅっと縛りました。まあ、何とかなるだろ。

家に戻り、どうやら傷は、そんなにひどくないと判断。夕方、三本木の温泉・三峰荘に行きました。傷口から、血は出ていなかったので、そのままお風呂に入れました。じゅ〜!って感じ。でも、まあいいさ。左手に力が入らないので、垢すりは止めて、そのかわりに、ずっとやめていたサウナに入りました。昨年秋あたりからの左腕のしびれ。原因の一つに、サウナ後の水風呂入りすぎがあるんじゃないかと、思ったからです。冷やしすぎが、まずかったと思ったんです。そこで、今日はサウナのち外で風に当たるというパターンにしました。本当は、水風呂が好きなんですけど、我慢我慢。さて、サウナに入って、人が少なくなって、僕は寝転がりました。すると、もう一人入っていた方が、椅子の上に立ち上がりました。しかも、顔にタオルを巻いていて、暑そう! 僕は「上のほうは、すごく暑いんじゃないですか」と声を掛けました。すると「自分で決めた時間の仕上げなんだ」とのこと。「誰かにやれと言われたら辛くても、自分で決めたんじゃねぇ」と話しました。サウナを出て、露天風呂の傍らにいたら、さっきのおじさんに声を掛けられました。「劇団の役者さんか何かやってるんですか?」 ああ、久々のそんな話ですね。「いえいえ、ただ髪伸ばしているだけです」と僕は答えました。学校教員と言うと、また話が広がりそうでしたが、なんとなくやめました。でも、ちょっと嬉しいかな。

ああ、今日は命の洗濯だったよ! 休むと元気になる。これって、とても大切なことだと感じた今日でした。

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