昨日へ     2004年06月10日   明日へ

今日は、教職員組合の地区の会議の日です。たいして人は多く集まらないのですが、教職員評価制度について、話す時間を用意してもらったので、資料を作りました。こんな感じです。

「教職員評価制度」は、何のため?

1 いろんな考え方によって、「よい学校」はかわるんです。

◎このままじゃいけない!
・大人の言うことを聞かない。
・勉強ができない。 
・そもそも躾ができてない。
・服装の乱れ、言葉の乱れ、心の乱れ。 
・素晴らしいこの国の文化が途絶えてしまう。
・他の国に負けてしまう。

◎なぜ、こんな事態になったんだ?
 家庭教育がなっていない。
・ちゃんとしつけていない。 
・ちゃんとごはんを食べていない。ちゃんとあいさつできていない。
・ちゃんとお父さんお母さんにを尊敬していない。

 学校教育がなっていない。
・ちゃんと学習の基礎基本を身に付けていない。 
・ちゃんと集団行動ができていない。
・ちゃんと誰とでも仲良くしていない。 
・ちゃんと個性を伸ばしていない。
・ちゃんと社会的モラルを身に付けていない。 

 地域がなっていない。
・ちゃんと誰とでもあいさつをしていない。
・ちゃんと高齢者を大切にしていない。
・ちゃんと不審者を発見したらすぐ通報すぐ排除できていない。
・ちゃんと指示がスムーズに伝達されていない。

◎そこで対策
・ちゃんとした家庭を作るため、
 ちゃんとした学校を作るため、
 ちゃんとした地域を作るため
 ちゃんと、手を打つ必要がある。教育改革だ!

◎まず、学校
・ダメ教職員の首を切る。
・公務員だと思って、たいして仕事をしないのに、
 そのままずるずる給料をもらっている奴がいる。そういう奴は、首!
・権利ばかり主張して、やらなきゃならない仕事をさぼる奴がいる。
 子どものためなら、体を張って、頑張るのが教師だ。にもかかわらず、怠ける奴は、首!
・公務員なんだから、公僕として指示に従うべきなのに、いちいち異議を唱える奴がいる。
 ちゃんとエライ方が決めたことなんだから、面倒くさいことを言うな。
 上司の指示に従わおうとしない奴は、首!

・「首切り」をすると、世間から反感を買うかもしれないので、
 ここは一つ「研修」ということにしておこう。とりあえず、こういう制度を作ったら、
 びびる奴もいるはずだ。それだけで、十分、ちゃんとした学校になっていくはずだ。

・おっと! ダメばかり言っていては、教育的ではない。
 叱るだけじゃなく、褒めて育てる。ちゃんとやっているなら、褒美をとらせよう。表彰しよう。

・けれども、首にしたり、表彰したりするのは、一部だ。
 教職員全体も、ちゃんと指導して、ちゃんとした学校をつくらなければならない。
・そもそも、これまで一律に給料をもらい、だんだんと給料が上がっていたことが、問題だ。
 いまどき、ダメな奴は、首を切られて当然。厳しい世の中なのだ。
・モチベーションをあげる必要がある。教職員は、頑張りが足りない。
 首されては困るとか、表彰されたいとか、感じないのは、やる気のない証拠だ。
 自分の目標を立てさせて、それを達成させる喜びを感じさせよう。
 達成できなかったときの危機を感じさせよう。
・隣の席の同僚に負けないぞという気概が必要だ。競争してこそ、高められるものがある。
 表彰されたいという向上心がなければいけない。甘っちょろい協力は、競争の緊張感を阻害する。
・これまで学校をぬるま湯にしていたのは、管理職にも問題がある。
 ダメ教職員を放置していた。管理職と言えども、安心はさせまい。
 もっと頑張らせよう。リーダーとしての自覚を持たせ、ダメなら降格だ。

2 評価制度の実際
学校教育目標を知る(校長の指示)
それに基づく自己目標を立てる(校長に認められるもの)
自己目標達成に励む(校長に認められるもの)
自己評価する(校長に認められるもの)
管理職からの評価を受ける
評価によって、「指導」を受ける

3 評価制度の危険性と、今すべきこと

◎「よい制度にする」よりも、制度をスタートさせないこと
この制度をスタートさせることは、校長←地教委←県教委←文部科学省という手のひらに乗ることになります。権力の手のひらの上で、よりよいものを追求するのは、難しいです。そもそも乗るべきではないんです。

◎職場のみんなで対応しないと、ばらばらにされます
個人対応をすると、そのまま疑心暗鬼の世界に入ってしまいます。みんなで、同じ対応をしましょう。誰かが褒められるのも、誰かが切られるのも、認めないんです。

「みんなで白紙」が、少なくともこの2年間は基本だと思います。東京都で、白紙で出す対応が破綻したのは、異動調書の裏に評価を書くようにされたため。そもそも、制度をスタートさせてしまったためなんです。宮城県の場合は、スタートさせない闘いをするべきです。「白紙で出しても破綻する」と、何もしないでスタートさせると、定着を促すことになってしまいます。職場がばらばらにさせられます。

「とにかく何か簡単なものでも」と何かを書いたら、それは今後評価の対象となり、使われます。独り歩きしまうんです。(裁判での証人尋問や、住民基本台帳ネットワークシステムに似ています。)

※「よい学校を作る」と言っても、考え方によって、それは全く違う方向に向かいます。私たちはどっちに向かうのか、長い目で見、そして今すぐしなければならないことをしていきたいものです。私たちには、お金も権力もないです。人をたぶらかしたり、暴力を振るったりすることもできないんです。だから、まじめに、ダメなことには、ダメと、きちんと声を挙げ、そして闘っていくしかないのだと、私は考えています。

おかしいことに「おかしい」と声をあげるべきだと、たくさんの人が言います。でも、意外と声を上げていなかったりするので、ああ僕が率先しなくっちゃなあと、思っています。

写真は、一昨日の遠足・仙台市科学館での1枚です。

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