7月3日の学年PTA行事で、秘密基地作りをすることになっています。当然みんな、もう知っていることなので、ぜ〜んぜん「秘密」なんかじゃないんですが、やっぱり「基地」ではなくて「秘密基地」なんです。いやむしろ、「秘密基地」ではなくて「ひみつきち」なのかもしれません。
僕の「ひみつきち」の思い出は、やっぱり夕張です。やっばり旭町です。夕張に、ひみつきちの素材は、それはもう豊かに整っていました。なぜなら、僕の少年時代は、閉山まっしぐらの空き家増加中の時代だったから。児童会の連絡に「空き家には入らないようにしましょう」とか、あったはずです。関係ないかもしれませんが、トロッコに挟まれて怪我した同級生がいたなぁって、今思い出しました。あんまり関係ない話だけど。
さて、旭町での思い出。空き家や、解体された家から、木材を集めてきて、家の裏に家を建てたことがありました。ありゃあ、見事でした。いわゆる柱を立て、それに古い板を打ち付けて壁を作り、天井も張り、入り口には拾ってきたビニールござをぶら下げ、それはそれは「家」でした。天井の上に上っても大丈夫だったので「2階ができた!」と喜びました。僕の家の裏、ポンポロカベツ川のほとり。僕は、社会科の副読本「わたしたちの北海道」の、開拓農民の掘っ立て小屋の写真を思いましたっけ。僕は、ああいうことをして、釘の打ち方を覚えました。打つよりも、抜くほうが多かったかな。釘を調達するためには、板などからうまいこと抜くのが一番だったので、それはそれは釘抜きの使い方に、磨きを掛けましたよ。
いつ、どんな理由で、どんなふうにあの家を取り壊したかは、覚えていません。けれども、あの小屋のイメージは、まるで初恋の女の子のイメージと同じように、僕の気持ちの中で輝いています。写真なんか撮らなくて、むしろよかったんだろうな。
...と、僕の「ひみつきち」体験は、まあいろいろなんですが、今一緒に過ごす3年生にも、思い出を!なんです。今朝、「ひみつきち」談義をしてしまい、いきなり図工へ予定変更。みんなで、小刀を使う練習をしました。鉛筆を削り、割りばしを削り、墨汁で割りばしペン。「いつもよりもうまく書けるよ!」という歓声に、ふふふっと笑う僕でした。人生いろいろ、冒険いろいろ。いろんな体験を重ねて、人は大人になるんですよね。
写真は、河北町での1枚です。家に早くに帰り、通ったことのない道をぐるっと走ったんです。