江別から夕張・紅葉山に戻ります。洗濯をしたり、布団を干したりしました。体を動かしたくなっているのかもしれません。午前中、母さんは絵を描いていました。何となく、珍しくこうやって用事を作らず過ごしているのだからと、絵を描くことにしました。連れ合いぴよさんも一緒です。
僕は、小さい頃から、絵を見る目は養ってきたように感じています。母さんが公募展に出品するたび、「よさ」を見つけるトレーニングをしていたんです。公募展に行き、僕なりの「好き」「嫌い」も見つけました。けれども、実のところ、油絵は1枚しか描いたことがありません。夕張の炭鉱と馬の絵。父さん母さんは「いい絵だ」と言うけれど、僕は好きではありません。恥ずかしい作品。むしろ、少年時代の僕は、やっぱり木版画のほうがいいです。
さて、今回はアクリル絵の具を使うことにしました。手軽だからです。右で、ぴよさんは花の絵を描き、左では母さんがでかい作品作り。僕は、何を描こうか迷いましたが、ラオコンの石膏像を描くことにしました。アクリル絵の具は初めてです。
筆を持って、キャンバスの前に座ります。頭であれこれ考えずに、筆を走らせます。失敗したっ!という瞬間があります。けれども、ひるまずに進めます。減点は、その後の得点で、何とかなるものなのです。ブルーを基調にして、描きます。線ではなく、面を描こうとしつつも、ラオコンの髭や髪には、ちょい苦労しました。そっくりにするよりも、そこに自分の世界を作ればいいんだよなと、心で囁きます。びくびくした気持ちは、絵に現れます。自由に大らかに、自分の精神を解き放てば、絵も自由を芽吹きます。楽しいと感じられる取り組みは、いいです。結局、3時間あまりキャンバスの前に座り、とりあえず作品のできあがり。久しぶりに描いた絵としては、まあまあでしょう。
連れ合いぴよさんは、いつも絵を描こうと言っても乗らない人。今回は、とっても特別! みんなのアドバイスを聞きながら、なかなかいい作品を作り、額縁に入れ、嬉しそう嬉しそう! 創作って、そもそも楽しいことなんです。だから、今回はとてもいい機会でしたよ。
夕方、母さんがぱっぱと作ったあんかけ焼きそばを食べ、BS放送の映画「ポルターガイスト」を見て、夕張の夜はふけていきました。
写真は、僕が描いたラオコン。ありゃあ、サインを入れる前に撮ったんだなぁ。まあいいか。