家にいます。北海道に行っていた間に、何件か留守番電話に入っていたり、手紙が届いていたり。やらなきゃいけないことは、いっぱいあるのに、ダメなんです。人と会ったり、電話で話したり、したくない。
不合格のショックは、かなり大きく、僕はつくづく生身の人間。弱さをもって、人間らしさと言えるのかもしれないけれど、辛いんです。
部屋の隅々に、来年以降の外国での生活を、僕はいっぱい置いていて、置きっぱなしにしていたものだから、過ごしていて、そんな一つひとつにつまずくんです。自分が、どれだけ入れ込んでいたのか、どれだけ希望を抱いていたのか、その度に気付かされて、疲れます。
バイクの車検は、この次の3月で切れます。そのときは、大丈夫です。でもそのまた次の3月は、僕が帰国しているかどうか微妙なところ。車検が切れると面倒臭いなぁ、どうしようかなぁ...なんて、そんなこと心配していたんですね。ああ、心配ご無用になったんです。
今、家でインターネット接続しているのは、Macだけ。PC使いの連れ合いぴよさんも、元Macユーザー。だから、電子メールのやりとりのために、ぴよさんが使いやすい環境を作っておかなきゃいけないなぁ...なんて、そんなこと準備していたんですね。ああ、心配ご無用になったんです。
別姓を考える会の「別姓通信」は、僕が編集してきました。ここのところは、アップルワークスというソフトで作っていたのですが、さあ誰に編集を頼もう。PCユーザーのために、ワード用の見本を作ったほうがいいかなあ...なんて、そんなこと心配していたんですね。ああ、心配ご無用になったんです。
教室の片隅に置いている僕の私物。かつての学級通信など、いっぱいあるんです。あれは、あのスペースに置かせてもらうといいだろう。2年たって、戻ってきたとき、あの場所なら大丈夫だろう...なんて、そんなこと考えていたんですね。ああ、心配ご無用になったんです。
今担任している3年生。僕が帰国して、また今の学校に帰ってきたら、ありゃあ、もう6年生じゃん。そのときまた担任するっていうのも、なかなかいいかもしれないなぁ。けれども、職員の顔触れも替わり、浦島太郎かもしれないなぁ...なんて、そんなこと想像していたんですね。ああ、心配ご無用になったんです。
連れ合いぴよさんは、一人で飛行機に乗ったことがないから、うまく僕のいる国に来れるかなぁ。少なくとも英語だなぁ。教育テレビで、いろいろ英語番組をやっているから、二人で見たほうがいいかなぁ...なんて、そんなこと心配していたんですね。ああ、心配ご無用になったんです。
どんな国に行くか分からないけれど、ギターは連れていこう。やっぱりカモメくんだな。いろんなところを旅して来たもんな。その国で、歌うとしたら、ん〜どんな曲がいいかなぁ...なんて、そんなこと思っていたんですね。ああ、心配ご無用になったんです。
このサイトは「ある小学校教員の毎日〜夕張の父さん母さんへ〜」なんだけど、「ある小学校教員の毎日〜○○から〜」とか、外国発信ということにしたらいいかなぁ。いやまてよ、そもそもインターネット環境にあるかどうかだ。電気だって、どうだろう。ん〜、その場合は「2年後に復活します」なんてことになるのかなぁ。写真はいっぱい撮ってきたいなぁ。デジカメを新調する必要はあるだろうか。ビデオカメラは買わなきゃいけないね。そう思うと、DVDを焼けるMacがほしいねぇ。ああ、でも電気はあるんだろうか...なんて、そんなこと心配していたんですね。ああ、心配ご無用になったんです!
青年海外協力隊に不合格したからと言って、むしろ生活は変わりません。仕事を失ったわけじゃなくて、今の生活が、そのまま安定しているというだけなのです。あらゆる心配は、心配しないで済むという、とても安心すべき状況になったんです。にも関わらず、この落ち着かない気持ちは、何なんだろう。
夜になりました。食事をしながら、ああもう血液検査なんか関係ないんだと気付きました。また、親知らずを抜かなくて済んだんだと思いました。そして、春に歯医者に行って治療してもらいながら、ドリルの音を我慢しながら「外国に行ったら、いろんな辛いことがあるに違いない。こんなんで、へこたれたらいかん!」と自分に言い聞かせていたことを思い出しました。貧血云々も、もう関係なしです。ため息をつきながら、ビールを2本飲みました。少し前まで、禁酒したり「ビールは1本まで」とか、ちゃんと決めていたのに。
弱い自分に、うんざりしながら、強くなくてもいい、すこしはしっかりせんと!と思っているところです。そうそう、昼に紙が1枚届きました。JICAから、青年海外協力隊事務局長名で「あなたは先に実施した標記二次選考において、残念ながら不合格となりましたので通知します」という紙が、送られてきたんです。ああ、終わりました。
写真は、8/10夕張本町・のんき屋の猫です。