昨日へ     2004年08月23日   明日へ

今日は、日直当番の僕なので、朝から出勤です。夏休みももうおしまいだからでしょうか。多くの職員が、休暇を取っていて、静かな職員室です。長らく餌をやるだけだったチャボたちを、久しぶりにかまいました。外に放して、小屋を掃除して、寄せ植えしていた雑草を取り換えました。いままで、僕が来れない日のことを考えて、たっぷり入れていた雑草。もうほとんど毎日来るので、一鉢だけにしました。チャボは「これだけなの?」って、顔。例に寄って、闘牛がするように、地面を掻き、遠い仲間に向かって鳴いていました。吠えるって感じもするんだな。チャボの遠吠えでしょうか。

運動会の玉入れのテープを貸してほしくて、転勤した先生に電話をしました。本人は不在だったのですが、僕は本人だと思って、本人のお連れ合いのお母さんに「前に踊って玉入れしたときのテープをね、貸してほしいんだけど...」と話してしまい、恥ずかしかった。あわててて、ごめんなさい。本人が、午後に来てくれて、あれこれとおしゃべり。ありがとうございました。

8月9日ナガサキ原爆の日に、また原子力で人が殺されました。美浜原子力発電所の事件については「放射能と関係ない」と、企業は言うけれど、原子力発電所での事件はみんな「関係ない」はずがありません。冷却水が漏れたら、冷却されなくなってしまう。冷却されなくならないようにすると言っても、それは臨時的対応。放射能に関係ないと許されるものではありません。そして、何よりも、人の命が奪われたのに、オリンピックの報道に隠されて、ああ僕ならきっと怨んで出てくるよ。企業は、何を大切にしているのでしょうか。

いつも、こういう事件がある度に、僕は高校2年生のときの夕張を思います。北炭夕張新鉱でのガス突出事件。地底には、まだ人がいて、生きているかもしれないのに、企業は「注水させてください」と言ったあのときのこと。企業は、何を大切にしているのだ! 僕は、町中が憤ったあの秋を忘れないんです。そして、あのとき僕の中に灯った種火は、まだ風にゆれることもなく、静かに輝いているのです。

金は、人を殺す。大切にされる人と、粗末にされる人。ネクタイを締めた権力の見下す笑み。誇りを踏みにじられたお爺さんの深い皴。魂を売らないお婆さんのしたたかな暮らし。決して忘れてはならない幾つかの場面。

原子力発電所に、企業に、命を奪われた労働者の皆さんのご冥福を祈ります。そして、亡くなった方に繋がる皆さんが、顔を上げて、暮らしていくことを、希望します。

写真は、夕張1980年あたりの1枚。中高校生のとき、朝鮮人強制連行の足跡を取材していた頃、丁未で撮ったものです。

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