雪です。終業式です。そしてとうとうSちゃん転校の日です。雪は、なごり雪。はらはらと舞います。
1時間目は、プレゼント交換の時間。みんながSちゃんにいろんなものを、先日の図工の時間に作ったものを、渡しました。そして互いのものを見合ったりしました。住所交換もしました。年賀状のためということで、Sちゃん以外でも。ちなみに、住所や電話番号や体重やテストの点数などは、勝手に誰かに知られちゃうべきではない「プライバシー」であることは、話し済み。だから、互いに交換こです。僕は、Sちゃんのアルバムを作って渡しました。A3の紙にSちゃんの写真をレイアウトしたものを8枚。半分折りにしてのり付けして本にしたら、何だかすっかり「卒業アルバム」みたいになりました。表紙も付け、扉も付けました。最後のページには、メッセージ。こんな文章。
Sちゃん。きっと君は、う〜んとたくさんの友だちと出会います。
君は、人にやさしく、そして温かい。
だから、たくさんの友だちを、すくうでしょう。たくさんの友だちが、君のことを好きになりますよ。
自信を持ちなさい。君には、大きな力があるんだ。Sちゃん。きっと、うれしいことも、かなしいこともある。○○をはなれるのは、つらいかもしれない。
でもね、うれしいことも、かなしいことも、みんなに同じようにあるんだ。
いつも、よりよい明日を考えよう。いつも、顔を上げて、しっかり前を見て、堂々と歩いていくんだよ。Sちゃん。君は、新しい学校に行く。そこでの毎日は、きっと楽しいよ。
でも、ここ・○○が、君のふるさとだ。いつでももどっておいで。
15人の友だちは、たとえ中学生になったって、きのうの続きみたいにしゃべれるよ。
みんな、いいやつばかりだ。みんな、君のことが、大好き。
君のふるさとが、ここにあることを、ぜひ忘れないでください。Sちゃん。また会う日を楽しみにしています。
2004.12.22. 君のことが大好きな○○小3学年担任○○○より
さて2時間目は、終業式そしてSちゃんを送る会。終業式が終わり、冬休みの暮らしについての話が終わり、3年生がみんなの前に出ます。真ん中に、Sちゃん。3年生が一人一人、Sちゃんと何をしましたとか、何をして楽しかったとか、一言ずつ話します。BGMには、みんなで歌った「カントリーロード」を掛けます。そして、Sちゃんから、挨拶。1時間目からずっとぽろぽろしていたSちゃんでしたが、ちゃんと話せた。グッドだったよ。そして、「勇気100%」を歌いました。ギターは、僕。声は、みんな小さめ。そしてアーチを作り、Sちゃんがくぐり抜け、教室に戻りました。
ホールから階段を降りながら、6年生がいっぱい泣いていました。3年生はすぐに行っちゃいました。さぁてと教室に行ってみると、みんながみんな、まさにおいおいと声を出して泣いています。僕は、ずっと泣きそうだったのですが、こりゃあダメじゃんって気持ちになりました。集団だから泣いちゃう。集団だから呑まれちゃう。そんな空気があったんです。僕は、普通に話しました。次の時間にプリントなど渡すこと、掃除もすることなど。このままめろめろじめじめにはいないよ。
休み時間を挟んだのに、職員室から戻ってきた教室は、さっきと一緒でした。「悲しいときには、泣く。感動したときも泣く。いいんだよ。でも、顔をあげて、やることはやっていこう」 そして、保護者へのプリントなどを渡していきました。目が赤いみんなも、いそいそと動き始めました。通信簿は、たいてい帰り際に渡す僕ですが、今日はすぐに渡しましょう。渡しました。いわゆる所見欄を読んでちょうだいと列が出来ました。だんだん、いつものみんなになりました。
掃除をぱぱぱっと終わらせて、ぜ〜んぜん予定していなかったのですが、体育館に行ってドッジボールをすることにしました。さっきめそめそしていみんなもいつもの顔になりました。もちろんSちゃんもです。やれやれ、ほっとしたわい。
教室に戻り、いつものように帰りの会をしました。歌はいつも二曲。一曲目は日直が決めて、二曲目は誰かのリクエスト。今日は、「ビリーブ」そして「TRAIN-TRAIN」 なんて絶妙な選曲でしょう! 普通に「さようなら」ってして、笑顔でSちゃんと別れを告げ、みんな帰っていきました。1日ずっと参観だったSちゃんのお母さんと妹Rちゃん、そしてSちゃん。いつまでも残っていた何人かがいつまでもいつまでも手を振る中、帰っていきました。行ってしまいました。
ああ、卒業式の午後のようだ。この「残された感」は、重いです。一人スーパーに昼食を買いに行きました。雪は止んでいましたが、寒い風が吹いていました。
午後のデスクワークを終え、職場の忘年会は、松島。いつのもように盛り上がり、いつもよりも呑みすぎ、ちょっと記憶がない、そんな夜でした。
写真は、帰りの会でみんなで写した1枚です。