昨日へ     2004年12月27日   明日へ

石垣島で目を覚ましました。外は雨。僕は、雨男なんです。バイクツーリングに出掛けると、雨具を使わないことはまずありません。けれども、今回一緒の連れ合いぴよさんは、晴れ女。気を取り直して、顔を洗います。

昨晩泊まった民宿は今回の格安チケットに付いていたところだったので、朝食を食べた後チェックアウト。桟橋に近いビジネスホテルに移動です。

今日から2連泊になる宿は、スピンネーカー石垣島。どんな宿かと思い気や、きれいなビジネスホテルでした。荷物を置かせてもらって、さあ石垣島での活動実質1日目行動開始です。どうしようかと迷いましたが、離島に行くことにしました。

とりあえず今日は、近い島を選びました。竹富島です。

船の切符を買い、高速船に乗り込みます。いかにも速そうでしたが、本当に速かった。波をバンバンとジャンプしながら、走っていきます。うひゃあ〜!と思っているうちに、10分で竹富島に到着しました。待っていたレンタサイクル屋さんの車に乗って、サイクル屋さんに到着。雨がぱらぱらする中でしたが、さあ自転車でちゃりちゃりと散策です。

竹富島は、昔ながらの石垣、昔ながらの家、昔ながらの佇まいが残っている島でした。白い砂の道をしゃりしゃりと走ると、道の回りのハイビスカスがひらひら。石垣の上に白猫を見つけ、カメラを持って追いかけると、小屋の裏でヤギが草をもしゃらこもしゃらこしています。コンビニどころか、自動販売機も見当たりません。信号どころか、舗装道路もほんの少ししかありません。走る自動車は、観光用のワゴン車くらい。水牛車が、ときおりぎっしぎっしと通ります。それでいて、町のスピーカーからは「年末の交通安全運動にご協力ください。飲んだら乗らない...」なんて放送を流していたりして、そのほわぁ〜っとした空気に、僕は嬉しくなってきました。

星砂の海岸を目指して、自転車をこいでいたら、蝶! しかも、いっぱい! 昔、小学生の頃の僕は、昆虫図鑑が大好きでした。あのとき見たでっかいゴマダラチョウが、それはそれは大安売り! いっぱいいっぱい舞っていて、僕は「うっひゃー!」と大声を出してしまいましたよっ! 花も、木も、虫も、みんなゆったりと過ごしていて、来てよかったぁぁぁぁ!と思ったのでした。

浜に行くと、猫がごろごろしていました。星の砂は、ぷくっと太った砂でした。きつね色にこんがり焼けていて、遠慮しながら手を出してる感じ。遠慮しないのは、クモヒトデ。腕をふにゃふにゃ伸ばしていて、それはそれでかわいいんだな。

海は、ぺんてる絵の具のエメラルドグリーンのチューブをそのまま出したような色。深いところは、セルリアンブルー。12色の絵の具セットには入っていなくて、子どもの頃に憧れた色です。海の水を舐めました。あんまりしょっぱくなかったです。北海道の海は関東のうどん汁。竹富島の海は関西のうどん汁。ダシは効いているけど、薄めって感じ。

ガジュマルに逢えたのが、とっても嬉しいです。杉の大木とは違うんだな。人間なんかに飼いならされない野生を感じます。台風を友としながら、鳥たちを守り、虫たちを育むガジュマル。僕、樹の妖精・キムジナーに憧れます。ガジュマルに聞きました。(登っていいですか?) ガジュマルは、人間の言葉では返事をしません。でも、幹から1枚伸びている葉っぱが、そこだけひらひらひらひらして、招いてくれました。(ありがとう) 僕は登り、珍しく写真を撮ってほしいとぴよさんに頼み、パチリ(上の写真です)。ああ、ガジュマルに逢えて嬉しかった。そして、ガジュマルに覆われた島に立てたことを幸せに感じました。ああ、こういうのを幸せっていうんだぁ。

そば処「竹の子」で、食事をしました。八重山そばと焼きそば。そばは丸麺です。古川の沖縄そば屋さんは平麺なので、慣れません。台湾に近い感じがします。そう、台湾までは300kmもないのです。宮城県までは3000kmもあるのに。

ときどき雨が降り、ときどき青空になり、その度にフリースを着たり、半袖になったりしながら島を散策しました。おやつを持って、西桟橋に行こうと思ったのですが、お店は見当たりません。石で出来た火の見櫓のような台に上がりました。あっ、あそこに小さなお店がある! 水牛がのしのし行く道を、お店に向かいましたが、お店の戸には鍵が掛かっていて開きません。ご飯時間なのかな? これもまたよしです。

西桟橋には、桟橋しかありません。海にとんと石が伸びているってだけなんです。ごろりとしました。南の風。そう、石垣島の風は、宮城県にいて、台風が去った後にもわって来る、あの熱帯の風なのです。蝶たちが人を恐れずにいっぱいいっぱい舞っています。昨晩は、鈴虫が鳴いているのを聞きました。ニュースでは、田植えをしたことが紹介されていました。普通は二期作なのに、三期作の家では今田植えなのだと。その日暮らしの「きりぎりす」を自称する僕としては、熱帯に来ればアリのように働き続けなくても何とか暮らせるのかもしれないと思ってしまいました。森は常緑。レンタル自転車屋さんの近くにあった竹富小中学校。音楽の時間には「秋の夕日に照る山紅葉〜」って、歌うのでしょうか。

「ビジターセンター」で少しだけ勉強をし、自転車を返し、船着き場に戻りました。船底が透明になっているグラスボートに乗ってみることにしたのです。

観光用ではあるものの、普通の船の底にアクリル板を張った感じの船でした。僕たちを含めて6人乗船。いやはや飛ばすし揺れるし、凄かったです。近くを船が通ると、波が出来て、それが来ると、どかんと横に揺れます。たまに波に乗って、ジャンプします。後ろで操縦する方が「今から下を見ていると酔いますよ」と言います。船の中の手の届くところには「袋」が用意されていました。確かに、下向きにアクリル板にもよおされてはたまりませんからね。

サンゴ礁に着いてみて、うひゃあ、びっくり。船底50cmくらいのところに、それはそれは「世界」があるんです。きれいというよりは、凄いって感じ。竜宮城もあるかもしれません。絶対に人間が作れない世界です。やっぱりダイビングもしなくてはならない!と、ぴよさんと興奮しながら話しました。

サンゴ礁に感動し、満足! 竹富島を後にしました。また来なくてはならないという気持ちです。

石垣に戻り、ホテルで一休み。夕方になって、町を散策です。市場に行きました。店を覗きました。三線屋さんも覗きました。どうしようか?と言いつつ、僕の心では決めていました。石垣を去るときは、三線と一緒です。

「市場食堂」で、豆腐定食と中味チャンプルーを食べました。地ビールも飲みました。さぁて、民謡酒場に行ってみましょう! 

もうかれこれ10年以上前です、若かったぴよさんと僕は、那覇の民謡酒場に入り、どんなところかよく分からず人生経験も浅いまま、その場(人)に圧倒された、ある意味ちょっと苦い経験をしています。リベンジというわけでもないのですが、ちゃんと克服したい思いで、民謡酒場です。

「安里屋」です。よかった! 楽しかった! 三板(サンバ)という打楽器を、ぴよさんが買いました。お客さんや店の人に習っていました。誰とでもぱっと話せる軽やかさは、ぴよさんの素敵なところですな。僕はというと、つい飲み放題コースにしちゃったもんだから、オリオンビールのジョッキをほいほいと空けながら、やっぱり隣りのお客さんと言葉を交わし、給仕をしていた女の子が本上まなみ似だなぁなどと酔っ払いながら、歌い、ついでに泡盛も飲み、いやはや楽しかった! 

そういえば10年前の僕は、コンサートとかライブハウスとか知らなかったんですね。知っているのは、夕張のリンデンコールって感じ。あれから年月を重ね、いろんなコンサート・ライブハウスに行き、踊りました。跳ねました。道端でギターを鳴らし歌い、「成長」しているのだと思いました。

昨日へ        明日へ

はじめのページ