照屋林助さんが亡くなられました。詩人・栗原貞子さんを失い、そしてまたテルリンを失うとは。
何という映画だったでしょう、ビデオも持っていたけれど、誰かに貸してそのまんま。沖縄を舞台とした夢物語。小林薫さんが主演しているやつ。キムジナーがガジュマルに座っている映像は、僕の憧れの姿で、髪の毛を伸ばして、キムジナーに近づいた感覚をふとしたものでした。竹富島で、木に登り写真を撮ってもらったのも、そんな余韻を15年ほど引っ張っているからです。
さて、その映画で、僕はテルリンと出会いました。拳を突き上げるよりも、大きなパワーとなり得る笑い飛ばす力。大らかで、したたかで、朗らかで、しなやか。踊れるレゲエを和訳したら、めちゃめちゃハードな闘いの歌で驚いたのに、似た感覚ですね。テルリンは大人なのに、「王様は裸だ」と言う権利を持つ大人でした。ああ、一度会うことができればよかった。
照屋林助さんと登川誠仁さんのやりとりが入っているCDを聴きながら、ああ、僕もかっこよく、こんなふうに年をとりたいと思っています。ご冥福をお祈りします。
写真は、04.12.27の八重山諸島・竹富島で、キムジナーに憧れるって1枚です。あっ、今思い出した! 「ウンタマギルー」って映画だっ! ああ、すっきりした。