今日は、憲法記念日の集会・デモなどがありましたが、僕は行きませんでした。ちょいとお疲れということもありますが、取材の予定が入ったんです。フランス国営放送のiさんの取材です。
約束の立町の「横道AGO」さんは、名前は知っていても、行ったことがないところなので、ちょいと迷いました。コンビニから電話をして、何とか分かりました。な〜るほど、マンションの1階だったんですね。何となく、1戸立のイメージがありました。諸国喫茶・諸国雑貨の「横道AGO」さんは、さわやかオシャレな感じでした。何となく、ごっちゃりいっぱい盛り沢山なイメージがあったんですが、違いました。フランスから来たiさんも通訳の方も、チャーミングな女性でした。「横道AGO」さんの雰囲気にぴったりな感じのお二人でした。
さて、インタビューです。これまでいろんな経験を重ねてきた僕ですが、さすがに通訳付きは、初めてです。日本の学校教育・受験・塾などについての取材でした。
「進学のために塾に通うのは、なぜですか?」という質問がありました。通訳を経て伝わる言葉には簡潔さが求められると思ったので、なるべくコンパクトに話しました。「不安があるからだと思います。競争に勝ちたいというよりは、敗けると大変な目に合うと、不安で、その不安を拭うために、いつも自分を・または子どもを、駆り立てているのだと思います。」 もっと聞きたいという表情だったので、もう少し加えました。「ヨイ高校に行くために、ヨイ中学校に行く。塾に行く。ヨイ中学校に行くために、ヨイ小学校に行く。塾に行く。ヨイ小学校に行くために、ヨイ幼稚園に行く。塾に行く。ヨイ将来のためには、産まれる前から、あれこれとやらねばならないことを、やらねばならない。...そう考える人が少なくないのかもしれません。」 ...こんな感じでした。いろんな質問がありました。なるべく丁寧に話しました。こんな質問がありました。「日本の子どもは、他の国の子どもと比べて、どうですか?」 僕は、海外青年協力隊の小学校教員募集に応募し、南の島(マーシャル、ヴァヌアツ...)で、日本語を話さない・日本の文化とは違う小学校で生活をしたかった...けれども落ちてしまった僕なので、心の中で苦笑いです。ん〜、日本で暮らす子どもじゃない子を知らないなぁ〜。そこで答えました。「他の国で暮らす子どもを知らないので、答えるのが難しいです。でも、同じだと思います。どんな文化の下でも、子どもたちは基本的に変わらないです。」そして加えました。「今の子どもと以前の子どもは変わりましたか?と質問されることがあります。そういうときは、変わりませんと言います。変わったとするならば、それは大人や大人社会が変わっただけ。子どもは、原始時代からずっと変わらないと思います、どの国でも。」
一通りやりとりをした後、本番。お店の中だと音楽が流れているので、外に出ました。4つの質問にまとめて、あらためて収録しながらインタビュー。ところが機材の調子が悪かったんです。いろいろ試しましたが、うまく行きません。仕方がないので、ホテルに行って、別な機材で再チャレンジということになりました。移動して、今度はホテルのロビーで。
一通りのインタビューを終えて、「最後に何か一言ありませんか」と言われました。とくに考えていなかったので、一瞬考えました。「どの子どもも不安なく暮らせる社会を、大人が作らなければならないと思っています。日本でも、フランスでも。」そんなことを話しました。iさんと通訳の方と、握手して別れました。これも出会い。これも旅。ああ僕の言葉は、ヨーロッパに流れるのでしょうか。誰かが、僕の声を聴くのでしょうか。
写真は、28日の学校帰りの高倉の小川です。