ああ、知らないことだらけだなーと、本を読んでいます。「フランス暴動〜移民法とラップ・フランセ」(陣野俊史 河出書房新社 2006)です。読みながらまた、感じます。ああ、知らないことだらけだなーと。
去年、フランスの高校生がデモをしていたことは知っていました。バカロレア(大学入試)を変えることに反対していたくらいの認識でした。僕としては、高校生が運動しているということ、それ自体の印象ばかりだったんですね。でも、「事実」はもっともっと多岐に及んでいたんですね。
・大都市のエリート校を、要員・予算・カリキュラムで優遇。地方は削減。
・学校だけでなく、地方のスポーツ施設・集会所などへの予算大幅削減、スタッフ解雇。
・中学高校をまともに続けること自体が特権的になりつつある。
・郊外に住所を持つこと、そこの学校名を履歴書に書く事すら就職差別に繋がる。
・格差社会の中、早く労働市場に労働力を確保し、不安定雇用をするために、義務教育年限を16歳から14歳へ引き下げると、首相が発表。
・在学中の移民系中高生を不法滞在を理由にチャーター便で国外退去させようとして、再奪還しようとする学友と警察との衝突が、全国の学校・空港で頻発。
・「2005年2月の法律」 植民地化の「よい面」を学校で教えるべきという法律。植民地化は全面的な悪ではなかったと。
・それに対して、フランス軍による虐殺の記憶が残るアルジェリアが反撥。
・2005年9月の新学期から、フランスの小学校では国歌「ラ・マルセイエーズ」が必修として教えられるようになった。
・1993年のパスクァ法。誰がフランス人で、どうすればフランス人になるのかに踏み込んだ法律。それまでは、外国人の両親をもつフランス生まれの子どもは、18歳で成年に達すると自動的にフランス国籍を付与されたが、93年以降は、16歳から21歳までの間に『フランス人になる意思表明』をしてはじめて国籍取得。
・フランスの移民法は、パスクァ・ドゥブレ法により、大量のサン・パピエを生み出した。「サン・パピエ」とは、滞在許可証を持たないために、「非正規」滞在者とされる人。
・ドゥブレ法への反対運動が盛り上がった1997年。法案最大の批判点が「外国人を宿泊させた者は、その外国人の出発の際に、市役所へ届けを行わなければならない」という密告制度。...まだ読んでいる途中なのですが、テレビ番組としてのニュースと、新聞の見出しだけで、世の中を読み解いたつもりになってはいけないのだと、強く感じるところです。
今日も、楽器をいっぱいいじりました。ピアノも弾きました。何か曲を弾くというよりは、鳴らすという感じ。昼に、お好み焼きを食べ、ビールを飲みながら、北野武監督「ソナチネ」を見ました。なーるほど、いい映画です。昼寝をして、風呂に入り、夜になりました。音楽関係のウェブサイトを回り、ますます音楽・演劇意欲が強くなっているところです。
写真は、13日の長町の猫です。