雨です。せっかく僕がプール当番で、みんなに「明日、プールに来てね」「うんうん、行く行く!」って話してたのに、残念です。中庭のアサガオは、喜んでいたかな? 春に生まれた元おたまじゃくしのカエルたちも「うるおうねー」とご満悦。
午前中、備品整理でした。特別教室の図工関係の備品を、みんなで整理しました。しばらくすると、お客さん。見ると、1年生のAちゃんでした。お母さんと一緒に、窓の外でもじもじ。僕の気持ちに、ぱぁーっと花が咲いたな。そんな感じ。
「あらー、おはよー!」 プールに来たんだけど、やっぱり入れないねって話から、Aちゃんのお母さんとお話しました。Aちゃんは、いつもと勝手が違うので、お母さんのズボンを持って、なんだか落ち着かないんだな。あれこれとおしゃべりをした後、お母さんに促され「はいっ」って、紙袋を出すAちゃん。あらー! 感激! おにぎりお弁当です。おにぎりはAちゃんが作ってくれたんだって。感動! 手を振って見送って、ああこの雨の中、ほんわりと輝く温かなひとときでした。この仕事していて、よかった! Aちゃんお母さんにいただいたインゲンは、職員室でみんなに少しずつ配って、いただきました。細やかな感じ。嬉しい。感激。Aちゃんおにぎりは、もぐもぐとは食べずに、丁寧に慈しんでいただきました。いただいたのは、おにぎりよりも、温かな心、気持ちの通い合い。
夕方から、仙台に行きました。「憲法9条を変えるな!みやぎ集会」に参加するためです。仙台弁護士会の佐久間弁護士の講演がありました。「私たちにとって「憲法」とは何か」というテーマでした。講演を聴きながら、考えたこと、メモしたことは、こんな感じです。(佐久間弁護士が話したことの内容とは関係なくメモ)
・「権利」は、英語で「Right」。「Right」は「正しい」と訳す。
・憲法は、飾っておくものではない。使うもの。
・「国益」としての人権無視は、あるだろうか。「国益」としての人殺しはあるだろうか。
・「日本国憲法」は、鳩や青空の絵の上にあるのではなく、南の島のジャングルで脱水症状で死んでいく兵士たちの累々とした屍をバックグラウンドにしている。
・人によって「幸せ」は、多様。幸せの形はいろいろ。けれども、「不幸」は多様ではないかもしれない。「痛さ」という不幸。そして、殺されるということ。痛みを知ること、人の痛みを自分のものとして共感しようとすること。佐久間弁護士の講演の後、東北地方中国「残留孤児」国家賠償裁判原告団長の角張さんのお話を聴きました。角張さんのお話で心に残ったのは、次のようなことです。
・人間の尊厳。
・粗末にされていい人は、どこにもいない。一人もいない。
・日本語を忘れた。けれども、日本人であることは忘れなかった。なぜなら、おまえは日本人だと差別され続けたから。
・3回も殺された。
・ずっと帰国を訴えて、53歳で帰国した。現在、66歳。数万円では、毎日暮らせない。
・足元の黒いゴム長靴。角張さんの言葉は、文字でなく、まさに言葉として、心にどんと来たんです。映画「にがい涙の大地」を見たときも感じたのですが、僕は大陸の様子について、とてもとても無知です。知ったような顔をしていて、全然知らない。その恥ずかしさが、じくじくしました。僕の知っていることは、中学校時代に読んだ本多勝一の「中国の旅」止まりです。本も読まなければなりませんが、もっとたくさん人の話を聴かなくてはならないと感じました。みなさん、東北地方中国「残留孤児」国家賠償裁判に関心を持ってください。支援の署名活動にも協力してください。
さて、角張さんの話の後で、僕にも時間を設けてもらいました。教職員評価制度に関わる「声」を募るための話です。角張さんの気迫あふれる訴えの後は、かなり話しづらかつたのですが、いつものように「自分の言葉」で話せたように思います。そしてまた、たくさんたくさん「声」を書いていただき、感謝でした。
帰りの深夜電車に揺られながら、中国から帰国した皆さんは、今夜どんな食事をしただろうかと、そんなことを考えました。
写真は、とても嬉しかった気持ち。