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さあ、教育基本法仙台地方公聴会の朝です。

早朝起きました。昨晩着色したのぼりが乾いていてほっとしました。木工ボンドでくっつけて、端を透明テープで補強します。よっしゃ! そして、早朝電車で、仙台です。

仙台駅前のペデストリアンデッキで、のぼりを組み立てます。そして、公聴会の仙台ホテルへ。やっぱり警備しているんですね。教職員組合もビラまきなどしています。のぼりを持っていたら、弁護士さんらしき人から「止まらないで歩いていてください」と助言されました。なるほど。止まったら、警官が来ました。「通行の邪魔にはなっていないと思いますよ」と穏やかに話します。実のところ、歩いていたほうが見てもらう効果は大きいです。青葉通りの横断歩道の真ん中で、信号待ちしたりすると、やっぱりこののぼりはよく目につくようです。

さて、9時近くになり、僕は仙台ホテルに入りました。公聴会の傍聴です。傍聴席は6割くらい埋まっていました。やっぱり、政党経由の傍聴券配付は「民意」に沿っていないと、思いました。長いのですが、仙台公聴会でのメモを載せます。

教育基本法に関する特別委員会地方公聴会(第1班・宮城)
2006年11月8日

意見陳述者
櫻中辰則(宮城県PTA連合会会長)
千葉胞義(郡山地区連合町内会会長 郡山地区社会福祉協議会長)
木村勝好(仙台市議会議員)
中森孜郎(宮城教育大学名誉教授)

質疑
斎藤斗志二(自民)
中井治(民主)
西博義(公明)
石井郁子(共産)
糸川正晃(国民)

■意見陳述
櫻中)
・教育施策は、重要。iТ、少子化、地域力の低下。
・現行法は、当時の環境によるもの。時代の変化。
・早寝早起き朝ご飯。あたりまえのことができない。
・親が、朝ご飯を食べることが大切。
・いじめについて。先生だけでなく、地域全体で。
・次の親を作るために、地域力を向上させる。

千葉)
・昭和22年の教育基本法。環境が変わった。
・経済的格差、学力・体力低下、児童虐待、いじめ、少子高齢化。状況の変化に伴って、補強が必要。
・家庭教育力の低下。家庭において、子どもの教育をしっかりする。子どもばかり責めないで、親がしっかりする。
・幼児教育の重要性。三つ子の魂百まで。
・学校と家庭の連携。学校だけではどうにもならない。家庭だけではどうにもならない。
・社会教育を進める。

木村)
・いじめ、不登校、虐待、子殺し・親殺し、極めて深刻な状態。このまま放置していていいという人はいないと思う。
・昭和22年と比べ、環境は大きく変化した。いじめ、不登校、引きこもり、ニートは昭和22年には想定できなかった。新しい教育基本法が必要。
・家庭における教育の重要性。コミュニティが希薄になっている。とくに登下校の安全確保。
・職業教育の必要性。かつては親の仕事を見て育った。今は、間近で見ることができない。働くことの大切さやおもしろさを、子どもの頃から教える。ニートを減らす。
・宗教教育。世界の宗教に対する理解を。国際化がますます進展。適正な宗教教育を。信仰を持たなくても、持つ人を大切に。
・愛国心。自然なもの。当然なもの。教育の目標として、達成度を計るものではない。水が染み入るように入っていくもの。
・小学校と中学校との隔たりをなくす。子どもたちは戸惑い、適応できなくなる。スムーズに上がれるような施策が必要。
・教育基本法は、憲法のようなもの。急ぎ過ぎず、慎重に。

中森)
・軍国主義教育で、愛国少年だった。敗戦で生きる目標を失ったが、1947年教育基本法。
・なぜ今、改悪するのか納得ができない。
・教育基本法は、現在の状況に則さないという話だが、世界が注目するスウェーデンは、日本の教育基本法に注目したから今がある。
・教育基本法は、占領下にも関わらず、自主自立の下作られた。侵略戦争への反省。憲法と一緒。
・法案には「教育の目標」が示されている。国を愛する態度。国家が特定の価値観を押しつける。教育が国家のためのものになる。
・守り、生かすこと。十分に時間を掛けること。

■質疑
■斎藤議員質疑)
・牛タンを食べて、力を付けてきた。
・早寝早起き朝ご飯。ぜひこれを。
・親は先に起きて、先に支度をすべきた。まな板を叩く包丁の音。よき家庭環境。私たちの願い。
・公共の精神は、家庭教育から。
・教育基本法には、私立学校の項目がない。現代に合うようにする。
・現状でいいとは、誰も言わない。早くという気持ちあるのでは?
櫻中)
・大人の社会は、思っていてもなかなかできない。
・子どもたちは1年1年刻んでいる。いいと思ったことは、議論を交わしながら、早め早めに。
・子どもにとっては大切な1年。いろいろと考えていただいて。
斎藤)
・教育委員会のあり方で、政府案と民主党案は違う。民主党案は、首長が責任。自民党は、中立性・安定性・継続性のために教育委員会。
・福島県や和歌山県の知事に、あずけてよいのか?
・中立性を守るために、民主党案はいかがなものか。
千葉)
・教育は、中立性を保っていくべきだ。
・深い議論については分からないが、中立性は大切。
斎藤)
・中学校で問題が生じる。中学校は3年しかない。小学はこども、高校はおとな、中学はことな。
・起承転結なのに、起承転しかない。制度改革が必要だ。5・4のほうがよい。今の制度は限界だ。
・小学校は学級担任制、中学校は教科担任制。教基法でしっかりとりくんでいきたい。
・民主党案は、首長だが、市長などよく変わる。いかがなものか。
木村)
・633制については、弾力的に。どうなるかはこれから議論。
・小学校のアットホームな雰囲気は、中学校とは違う。適応できずに苦しんだ子どももいる。
・思春期と二重に負担。
・教育委員会の中立性は大切。
・首長に責任というのは、全てにということではない。
斎藤)
・国を愛する。前文に置くか、本則に置くか。本則の方が、法的に拘束力があると考えた。
・民主党案は、前文で弱い。
櫻中)
・詳しいことは答えられないが、子どもたちを見ていても、地域は大切。
斎藤)
・国旗国歌、しっかり守られているか。
櫻中)
・はい。

■中井議員質疑)
・櫻中さん千葉さんは、現行法を変えることに賛成している。民主党案も賛成だが、新しい法案。できのいい法律。読んだか。
櫻中)
・読んだ。
千葉)
・読んだが、熟読ではない。障害者のところが印象に残る。
中井)
・いじめでも、未履修でも、教育委員会が機能していない。アメリカを真似た教育委員会制度。初めは、選挙。それが首長が任命するようになった。
・選挙で選ばれた首長が、中立ではないとは、どういうことか。
櫻中)
・国の教育としてはいいことをしてきた。
中井)
・かなり審議を重ねているが、案の違いなど理解を得られているとは思えない。愛国心のことばかり論議している。民主党案は、おもいきった制度改革。基本法だから、そこまでやる必要はないという声もある。
木村)
・教基法は、教育の憲法。一度決めたら、そう頻繁に変えられない。
・十分に議論をする。国民の合意。
・新しいものを制定していく。今日を踏まえたもの。
中井)
・宗教教育という言葉があったが、現行法・民主党案・政府案、違う。書き振りについてどう思うか。
木村)
・日本では、宗教についてとりあげることは少ない。これまで軽んじてきたのではないか。そういう意味では、民主党案は真っ正面。
中井)
・小さな子どもの殺人、近親者を殺害。誠に辛い。
・小さい子は、ゲーム・iТ・携帯電話などで生活。リセットボタンを押せば生き返ると思い込んでいるという。
・アンケート結果に表れている。そこで、宗教教育。生の意味、死の意味。日本古来から続いていた文化・行事。そういうことも教えて然るべき。政府案は、踏み込んでいない。
櫻中)
・地域へのお祭りへの参加。自然と備わるものではないか。
千葉)
・宗教教育あって然るべき。一つの宗教ではなく、とりあげる。中立。そういったことを考えながら。
中井)
・民主党案。伝統文化・基本的知識・宗教心の涵養を育てるべき。特定の宗教ということではない。
・社会教育を大切にするということ。
千葉)
・地域でも、子どもにお話するとか、配慮する家庭教育あって然るべき。
中井)
・政府案との違い。教育の年数については。どちらも盛り込まず、これからの話。義務教育を早める、あるいは中高一貫。
木村)
・引き下げることは、まとまっていない。下げれば下げたなりの問題が生じる。
・633制に固執するものでもない。
・併設でもよいのでは。地域的な特色など。
・子ども思春期で区切りというのが、問題。
中井)
・中森さんは、改正すべきでないという意見。
・憲法改正にはまだまだ時間が掛かる。手先の改革ではなく。
・幼児教育、高等教育...政府案では大学教育だが。
・現行法のままでやれると思うのか。付け足すべきか。
中森)
・憲法と教基法は一体。教基法を変えることが先んずることで、矛盾が生じる。
・いじめ・学力低下...教基法を変えても解決しない。根本の原因を学問的に追究すべき。
・学力低下やいじめはいつからか。「おちこぼれ」は70年代。80年代に校内暴力。管理教育によって、いじめ、そして自殺。閉塞感。抑圧。90年代に競争激化。
・日本の子どもへの競争過多については、国連も改善するように言っている。
・フィンランドは、20人前後の教室。小から大学まで、授業料もない。おちこぼれをつくらない。条件整備が大切だ。
・90年以降、制度いじり。落ち着いて教育できない。今の制度の中で、もっともっとよいことができる。
・戦後は、教育を受ける権利。
・経済大国なのだから、もっと教育に力を。
中井)
・教基法案、現行憲法から外れていない。

■西議員質疑)
・昔は自然のままに、子どもは社会の中で育っていった。家庭そのものも、いろんな価値観の中にあった。
櫻中)
・総合学習で、地域の方が学校の中に入っている。
・家庭、学校、地域の連携は、まだまだこれから。
西)
・父親と子どもとの関わりが希薄ではないか。心掛けていることはあるか。
櫻中)
・受験など岐路に立ったとき相談に乗る。
・安心安全の父親パトロールをしている。
・自分の経験で助言。
・なるべく早くに帰宅するようにしている。
西)
・家庭教育、どこが欠けているか。
千葉)
・核家族。しかも父と母と、両方勤めている。
・子どもと親の接触・話し合いが希薄。そういうのが濃厚になるように。
・工夫や策が家庭の中にあってもいいのではないか。難しいことだが。
西)
・社会教育の振興。とくに力を入れなくてはならない分野は。
千葉)
・参加する父母の回数が多くなるように。
・他者との触れ合い。高齢者とも接触。高齢者は多くなった。
西)
・民主党案に関わっている。特別委員会で審議している。
・宗教という名の中立の宗教はない。
・感性・涵養というところまでいかない。
・政府案は、今までを踏襲しているだけ。
・宗教については、学校現場においては難しい。不可能だろう。
木村)
・難しいところがある。
・知識として与えるだけで済むのか。
・単に知識のことだけでない。
中森)
・極めて内面的価値。
・学校で混乱してしまう。
・必要なら私立。
・創価学会の場合、戦中弾圧された。
・国の法律で定めると、特定の価値観が押しつけられる。
・公教育なら、公権力が関わってくる。
・歴史教育では、知識として必要。

■石井議員質疑)
・日本の教育の大転換。
・国が教育の内容も条件も決めていく。
・道徳・規範を、法律で書く。心の問題。国民に強制にはならないか。
櫻中)
・道徳は大切。強制ではなく。道徳教育大切だと思う。
石井)
・民主党案はに教育の目標はない。前文にはあるが。法律で書くとは。
木村)
・目標となると、どのくらい達成したかということになる。愛国心どのくらい。達成度となるものと、そうでないものがある。
石井)
・教育行政のあり方が変わってしまう。第10条(教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。)が失われてしまう。他の法律によって、施策が行われる。教育は、人間の内面に関わること。信頼関係なくして成り立たない。教育委員会による隠ぺいが、正しいこととしてまかり通ってしまう。教育委員会の通達通知についての懸念はあるか。
中森)
感じる。教育への権利。子どもの学習意欲。育てることと育つことの関係をどうするのか。
石井)
教育観に関わる。この法案検討の中で、いじめ問題、未履修問題が取り上げられている。子どもたちが命を賭けて声を上げている。この中で採決をするなら、国民はどう受け止めるだろうか。
櫻中)
早い方がよい。
千葉)
よく議論して、声を聴いてから。お互いによろしいとなれば早くてもよいが、問題があってゆっくりというなら、その過程を踏まえながらがよい。
木村)
改正すれば問題が解決するとは思っていない。十分時間を掛ける。拙速を避けるべき。
中森)
原点は子ども。子どもの声、教職員の声。子どものための教育改革にならない。少年院の子どもの教育に関わった。子どもは、どんどん変わっていく。学ぶ欲求がある。それが、管理的教育の中で潰されていく。急いではならない。

■糸川議員質疑)
※写真撮影をするため、カメラを取りにいくため、席を離れた
櫻中)
こういったケースが、今まであったのか、なかったのか。今やっと教育委員会が問われている。子どもたちの自己実現
。いろんなことを議論しながら、教育環境を整えていくべき。
木村)
親も担任も、子どものサインを見逃さない。大した事がないと思わないこと。大騒ぎして大したことがない方がよいのだから。自分のクラス担任・他の担任、関係なく。
糸川)
未履修問題が浮き彫りになっている。教育委員会のあり方について。国と地方の関係について。政府案と民主党案との違いについて。
千葉)
精通しているわけではないので答えにくい。教育委員会の問題、いじめがあったことについては教育委員会に。認めるべきは認める。学校と連絡を取り、然るべき最良の方法を。隠すことのないように。正直な話を。いじめの根底は、家庭にあるのでは。親たちの考え。親たちが、どう指導していくか。家庭でしっかりやっていくように。
木村)
国の負担が地方へ。一方で、いろんな制度で、通達が目まぐるしい。受け止めるのは地方・学校。口は出すけれど、削られたらたまらない。県費負担・政令都市負担。中央で変えるというなら、予算措置してほしい。
糸川)
教育の最終責任者は? 私は、国と。
櫻中)
最終的には、国。
千葉)
最終的には、国。
木村)
学校では、国。子どもとしては、親。
中森)
養育権は、親。それを自治体が助けていく。

■森山委員長挨拶)
資すべきものあり。御礼。

傍聴を終えて、会場を出ました。外には私服警官が「警備」をしていました。教育基本法の改悪に反対することは、いけないことじゃないのに、何を守るんだろうと、あらためて思うのでした。そして、大荷物の僕はそんな「警備」の人たちのすぐそばでどっこいしょと座り、荷物の整理をしたのでした。

始まる前にはいっぱいいた教職員組合などの仲間はいませんでした。その代わり、学生諸君が「どうでした?」と来てくれました。聞くと、60名ほどでデモをしてきて、地方公聴会への抗議をして、請願を出したということでした。いゃあ、若者は、元気です! 

公聴会の様子をみんなに知らせるために、近くのビルの公園に行きました。戦争反対の先輩・労働組合の仲間・市民運動の顔ぶれ...。ああみんな駆けつけてくれたんだぁ!って、嬉しくなりました。僕は、「家庭教育を強化すべし」という発言が多かったこと、「子どもにとって学校生活の問題は一刻を争うからすぐに改正すべし」という意見もあったけれど、「急ぐべきでない」という意見もあったことなど、報告しました。

僕が話していると、ビルの管理者が出てきて、ここで集まるなと怖い顔をしていました。誰も通っていないんだけど、通行の邪魔になるそうです。うちの敷地だから困る!とおっかなかったです。遠からずのところに「警備」の人が、マスクしてメモ帳を持っていました。彼(彼女?)が、ビルの人に「指導」したのかもしれません。だって、ずっと僕(僕たち)のことをマークしているようなんですもん。じゃあ、ここからこっち側に移ったらいいでしょと、歩道に移り、公聴会の様子を伝えました。みんなで20名くらいだったかなー。

さあ、次は宇都宮です。公聴会の国会議員が宇都宮に移動するのと同じように、僕も新幹線です。でっかいザックを背負って、のぼりのポールを手に、新幹線に飛び乗りました。文書を書いているうちに、宇都宮にはすぐ着きました。駅で降りて、タクシーに乗り、宇都宮グランドホテルに向かいます。仙台とは違って、駅前ではないんですね。

着いた宇都宮グランドホテルは、イメージしていたよりもコンパクトでした。いわゆる閑静な住宅街の中にあって、ちょっと妙でした。栃木の闘う活動家の皆さんが、抗議行動をしていました。ちらしを持ってきたそのメンバーの人に挨拶しました。知らない人も、知っている人になり得る機会の、なんと多いことか。自分の言葉で話す自分を、ちょっと嬉しく感じました。この頃の僕は「通じ合いたい」という気持ちは、一人ひとりが持っているものなんじゃないかと思っています。その「通じ合いたい」思いを、差別とか制度とか、傷付けるシステムが阻害している現状。そこんとこを、乗り越える頑張らない逞しさが、僕たちには必要だと思っているところです。喧嘩っ早い僕が言うと説得力ないんですが、僕は「いつだってラブコール」って気持ちなんですなー。

僕のことを知っていた市民の方が、声を掛けてくれました。そして、一緒に申し入れ行動をしようということになりました。はい、行きましょう。ホテルの玄関で、こちらは4人。ホテル関係者と、おそらくは警察、そして国会関係者。地元の方が申し入れ書を渡しました。僕は、自分で書いてきた請願書と仙台の仲間から預かっていたものを渡しました。僕の請願書は、今朝ペデストリアンデッキで筆ペンでさらっと書いたものです。こんなんです。

請願書
森山真弓委員長

地球温暖化は、日本国憲法のせいではありません。
格差社会も、日本国憲法のせいではありません。
同じように、
「学力向上」の問題も
いじめの深刻化も
教育基本法のせいではありません。
教育基本法をかえないでください。

2006年11月8日 住所 名前

せっかく短く書いたのですからと、そこで読み上げました。ただ紙を渡すよりも、警備の人とかに、きっと届くはず。僕は「通じ合いたい」人なんです。

仙台から一緒に来てくれた仲間が、のぼりを持って、閑静な住宅街を歩いてくれました。何人かの人と、いろいろお話ししたようでした。そういうのが、大事ですよね。感謝です。でも、警官から「仙台から来たんでしょ」って言われたよって話。僕たちは、なんにも悪いことしていないのに、「警備」の対象になる。これって、なんか変ですよね。

申し入れの後、僕ものぼりを持って、道を歩きました。しばらく行ったところに教職員組合の車があったので、お話をしました。メールじゃなくて、書類じゃなくて、手紙じゃなくて、直接お会いして話し聞くって、大事ですよね。だって、僕たちは人間なんですもん。

国会包囲のヒューマンチェーンの時間が近づいて、僕たちは駅に移動です。宇都宮の市民の方が車に乗せてくれました。感謝です。そこでいろいろ話せたことも、嬉しかったな。人は、つながり合えるんですね。

仙台から一緒に来てくれた仲間と分かれ、僕は一人、東京に行きます。新幹線の中では文章をiBookに書き、東京はすぐ! 丸ノ内線で国会議事堂前駅で降りて、ヒューマンチェーン活動でした。

議員会館は満員。僕は、歩道でのぼりを立てて立ちます。のぼりを見て、いろんな方が話しかけてくれます。たくさんの人に、写真を撮られました。「どちらのグループですか?」と何度も尋ねられました。僕は答えます「個人です」。そういうと、多くの方が清々しい笑顔を返してくれます。嬉しい。しんどいこともあるけど、嬉しい。

夕暮れになり、第二議員会館前に移動して、ヒューマンチェーン。いろんな方と、いろんな話をしましたよ。のぼりもいっぱい褒めてもらいましたよ。そして、国会議事堂に向かってシュプレヒコール! ロウソクが灯されて、「ヒューマン」って「にんげん」ってことよのーって、あらためて感じたのでした。

夜になり、ヒューマンチェーン活動はいい感じで終わりました。僕は、すごい人混みの中、のぼりをしまいきれずに、地下鉄駅に進みました。警官が「早く旗を降ろしてください」と言います。でも、こんな人混みでは危険です。「ごめんなさい、人混みじゃないところでやりますね」と言います。警官は「横断歩道を渡ると別の部隊なんだよなー」と独り言を言いました。なんか、大変なのね。

僕は、横断歩道を渡りました。生け垣の上にのぼりを置いて、のぼりをポールから外して、しまいます。結構大変なんですよ。通りすがりのヒューマンチェーン参加者の方が、手伝ってくれました。いろいろ話しました。というか、僕はいろいろ聞きました。皆さん、言いたいことがいっぱいあるんです。そんなとき、警官が通りかがりました。「これって、手作りなんですかー。すごいですよねー」 僕は、「警官」ではなくて「その人」が話した言葉だったので、すごく嬉しかったんです。「そうなんでよ。墨と絵の具なんです。また見てくださいね」 そう言って手を振りました。「その人」も、笑顔で頷いてくれました。嬉しかったなっ。「通じ合う」ことを諦めたくないって、思いましたよ。

のぼり撤収を手伝ってくださった方は、Mさんという方でした。いっぱい話を聴きました。僕よりもずっと先輩の方です。これまでのこと、いろいろご苦労があったんですね。そういう一つひとつが「旅」というか「学び」と言うか、「人生」ですなー。Mさん、きっとまたお会いできると思いますよ。

僕は、地下鉄を乗り継いで、葛西に行きました。昨日予約したホテルに向かいます。ああ、なんだかうんと久しぶりのビジネスホテルだー。

荷物を置いて、シャワーを浴びて、すっきりしてから、お出掛け。これは、いつものパターン。当然カメラは一緒。どこにどんなシーンが待っているか分かりまません。とりあえず、路地裏をうろうろします。小さな居酒屋が好きな僕なんですが、結局焼き鳥屋さんに入りました。レバーから始まって、手羽先までいろい頂きました。おいしかった! ビールも飲みました。カウンターの隣の仕事帰りの若者たちの会話を耳にしながら、飲みました。持ってきた本を読みました。僕は、基本的に外食よりもおいしいうちご飯が好きなのですが、今夜みたいな雰囲気は悪くないね。

飲み過ぎになる前に、店を出ます。また深夜の路地裏をうろうろします。いきなり、値段を言う女の子に道を塞がれて、驚きました。そういうお店の客引きなんですね。僕は、食欲・表現欲と同じように性欲も持ち合わせている中年男ですが、「ごめん、行かないよ」と行って、そのまま進みました。どこかちゃらちゃらした娘さんに魅かれる思いがありながら、理性というか僕の感性が、寂しい気持ちになって、そのままです。古本屋をのぞき、iPodでブランキージェットシティーを聴きながら、部屋に戻ったのでした。

ああ、あの娘さんは、今夜もあの路地裏で、男客を誘っているのでしょうか。金になるんだろうなっ。というか、金はなかなか手に入らないもんな。金なんかなけりゃいいのになっ。

写真は、仙台地方公聴会の様子です。

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