昨日へ     2007年08月30日   明日へ

理科の時間、校舎の中で一番暑い場所と涼しい場所を探しました。温度計の読み方の学習なんです。校舎のあちこちに寒暖計があるので、みんなであちこち。今日のところは、職員室が最も暑く、地下トイレが涼しかったです。また測ってみましょう。

算数では、走り幅跳び。巻き尺を使う学習。でも、砂遊びのほうが魅力的。寒くなる前に、図工として、みんなで砂で大きいものを作る予定です。

さて、先日から痛いのを痛み止めの薬で誤魔化していた僕。いよいよ、今日は歯医者さんに行く決意を固めました。以前は、古川の歯医者さんに通っていましたが、学校から近いほうがいいです。中新田の歯医者さんに行きました。

左の下の奥歯。2つのうち、どちらが病んでいるかはよくわかりません。手前の金属を詰めてある歯なのではないかと予想していました。けれども、レントゲンの結果、奥が虫歯。裏から虫歯。8番なので、抜きますとのこと。自覚はなかったのですが、いわゆる親知らずなんですね。待っている間、緊張です。さて、どのように抜くのだろう。グーの形をした歯です。つかんで、一気に抜くのだろうか? それとも、半分に割って、抜くのだろうか?

椅子が倒され、口を開け、電気に照らされます。オルゴールみたいな音楽と共に麻酔。注射されたって感覚じゃなく麻酔。僕は、手ぬぐいを握ります。苦い味が咽に沁みていきます。舌が緊張しています。鼻で息をしていたのだろうか。口で呼吸していたのだろうか。

電気が消されます。しばし時間。また、抜き方を考えます。あ、歯も僕なので、抜かれ方と言ったほうが正確かもしれません。

そして、いよいよそのときです。口を開けて、目をつぶります。あ! さっきの予想の前者でした。ぐっと捕まれて、全体としてぐらぐらと力技で抜かれようとしています。僕は早くさよならを言いたかったのに、親知らずはまだ手を放しません。顎が、声を殺して悲鳴を上げます。口全体、顔全体が、力技でぐらぐらと動かされます。ギリギリビリビリと響いて、僕は左手を上げました。「痛かったら、左手を挙げてください」と言われていたからです。リングにタオルを投げるセコンドの気持ちです。麻酔は効いていないようです。ごくっと唾を飲みます。うまく飲めません。咽が乾燥しています。麻酔の味が広がります。

麻酔の追加は、根っこにも。根っこに何かが入り、僕はまたビクンと動きました。神経は、何知らぬ顔でそこにいたんです。また何かが当たるのが怖くて、僕は体を固くします。でも、今、口は僕のものではないのですね。口の中は歯医者さんのものになってしまい、僕は無条件降伏です。

「ちょっと痛いですよ」って言葉の「ちょっと」は、程度を表す言葉ではないです。枕詞です。僕は覚悟をします。ピンセットで神経が捕まれて抜かれる感覚。とてもストレート。やっぱり「ちょっと」ではない。また麻酔の追加。僕は、抵抗する気力をなくして、ぐったりとしかし手ぬぐいを両手で握っているのでした。

歯医者さんのため息が聞こえます。格闘しているんです。ありがとうございます。でも、僕は辛い。釣り上げられて防波堤に放置された魚のように、僕の咽は乾き切り、体全体が自分のものにならないでいる感覚です。最初に予想した抜き方の後者になったようです。機械が僕の歯を割っています。「バキューム!」と助手の方に怒鳴る声が、僕を余計に攻撃します。麻酔は行き渡ったようです。さっきと同じような力技に首が振られます。そして、どうやら抜けたようです。「ふっ」と歯医者さんが息を付いたところで、僕は「少し休ませてください」と、開けられた口のまま話しました。ギブアップです。このまま続けていると、死んでしまいます。少なくとも、気を失います。「はい、いいですよ」という声を聞きました。どうやら、電気が消されました。「うがいをしてください」と背もたれを起こされたら、吐き気がしました。声だけの吐き気が吐き出されました。ヤバイと思いました。周りの皆さんは、もっとそう思ったことでしょう。

また横になりました。横になった途端、ほっとして、一気に汗が出てきました。化繊のタンクトップが体にぴったり吸い付いているのが分かります。タオルを額に当ててもらいました。窓を開けてもらったものの、僕は寒かったです。でも、閉めてくださいという力がなかったです。しばらく、じっとしていました。少しずつ、自分の温度が体に戻ってくる感覚。命が救われるという希望みたいな感覚。「トイレに行きます」と言ったら、みなさん焦りました。「倒れないでくださいよ」 はい、倒れたくなんてないですよ。小便をし、吐くかなと思ったのですが、声しか出ませんでした。歩けて、ほっとしました。

診察台に戻り、「貧血なんです。よくなるんです」と言いました。顔色がよほどだったのでしょう「分かります。貧血ですよね」と。20分くらい休んだでしょうか。「あと少しですよ」と言われ、口を開けました。今度は、本当でした。「終わりです」と言われ、解放された気持ちでした。

バイクで帰るのが大丈夫かどうか、自信はなかったのですが、これは一刻も早く家の布団で横になるのが一番です。アジカンを聴きながら、バイクに連れてきてもらった家。ほっとしました。噛んでいた脱脂綿を取り、よく動かぬ舌で現場を探ると、血が覆っていました。あったものがなくなっていました。あんなに苦しんだから、体重が減っていたりするかと、乗ってみましたが、変わっていませんでした。

写真は、昨日の算数での一コマです。

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