昨日へ    2010年02月13日   明日へ

北海道・江別の朝です。昨日の絵の続きをしました。油彩と比べて、どんどん乾いていきます。それがよいところでもあり、困ったところでもありますね。合間に小さな絵もたくさん描きました。

テレビでは、オリンピック開会式。みんな熱心に見ていますが、僕は絵を描き続けていました。カナダの少数民族の踊りの場面がありました。オーストラリアでのオリンピックでも、アボリジニが全面に出ていました。多様性を大切にしているんだなーと感じたものでした。絵を描きながら思ったのは、日本ならどうだろうということです。たとえば、東京都知事の思い通りに、東京オリンピックが実現したとき、その開会式にアイヌや琉球は、どのように登場するだろうかということです。かつて「民族の祭典」という映画がありましたが、「ドイツ」は「ゲルマン」とイコールでした。ゲルマン以外の民族を「ドイツ」に入れない「美学」でした。日本なら東京都知事なら...同じことをするんじゃないだろうかと、そんなこと考えました。

いろんな国の人が登場するところで、彼らがどのあたりで暮らしている人たちなのか、考えてしまいます。知らないんです。ノルウェーとスウェーデンなど「同じようなところ」って括りで終わっています。まして、ロシアから独立した国々は、名前さえよく分からずにいます。イタリアに行ったとき、つたない英語でおしゃべりすることがありました。するとKoreaもChinaもJapanも、同じようなものと感じていました。きっと、東のほうということで終わっているのでしょう。

小学校に外国語活動の時間が設けられて、2年になります。「英語ノート」を見ながら、ステレオタイプの再生産にならないようにしたいなーと、感じています。イギリスやフランスの人は、皆白い肌とは限らないということ。アフリカの人は、皆が飢餓に苦しんでいるとは限らないということ。アメリカにも、仏教徒だってシスラム教徒だって、いるんだよってこと。...これらは、そのまま自分の回りにも言えることでしょう。自分と違う考え方をする人がいるということ。自分と違う暮らし方をする人がいるということ。...みんないろいろであること。

それにしても、個人競技も国家競技になっていて、しんどいですね。代表選手って言ったって、議員じゃないんです。国民代表なんかじゃないんです。共に競い合ってきたライバルたち、ずっと応援し見守ってくれてきた皆さん...そんな見渡せる「みんな」を思い、そして何より今までの自分の努力を振り返りながら、悔いなく挑めばいいんだと思います。頑張っている姿に、人は感動させられます。視聴者は、見守り感動する。それだけでいいな。そういうところでは、国家は関係なし。どの人の頑張りにも、拍手なんだと思いますよ。

午後、父さん母さんぴよさんとで、tigerのところへ行きました。ラッキーの散歩です。雪の中、遠くまでドライブに行くのは心配だし、人混みの中に行く予定なし。父さんが一番やりたさそうなことで、僕たちがいたほうが難易度が低くなること、それが犬の散歩だったんです。車でtrueくんちに行き、ラッキーは大喜び! 雪の中を4人の1匹でぐるりと回ってきました。ああ、旭町でのコロの散歩が懐かしいですなー。tigerと一緒にみんなでテレビ見て、trueくんたちが帰ってきてお話を少しして、江別へ。

今日の夕飯は、焼き肉。じゅーじゅーと湯気あげながら、みんなでつつくのは、おいしいし嬉しいです。食べながら、これまで父さん母さんにわざわざとは話さないでいた志望大学のことをカミングアウトしました。経済的に国公立大学でないと行けないから、宮城教育大学に進んだけれど、そしてそうしたことに後悔はないんだけれど、本当は美術・芸術の私立大学に行きたかったんだ...ってこと。

かつて美大受験のために母さんのところにデッサンなどの練習に来ていた人たちを見ながら、僕でもできると思っていたんです。絵を描くこと、版画作ること、写真撮ること、映画作ること、演劇すること...きっとうまい具合に就職をし、安定することはないだろうけれど、そういう生き方をしたい...そう切望していたんです。でもね、経済的なことが第一で、僕自身が頑張らなかったんですね。絵は、いつでもどこでも描こうと思えば描けるのですが、それに専念する学生時代ってのは、実現できなかったからより一層輝きますねー。親(恋人がいると思っていない)が奨める相手と結婚し、恋人と別れる物語みたいな、そんな感覚です。ま、僕は今の人生に、苦労しつつも後悔はないですけどね。

写真は、今日のラッキー散歩です。

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