昨日へ    2010年04月29日   明日へ

中古で買ったアルトサックスが届きました。20年来憧れていたヤナギサワです。

僕がサックスと出会ったのは、札幌でのこと。予備校時代に、演劇仲間の予備校生と一緒に、北大演研の公演に行きました。いわゆるアングラ演劇です。テントものです。初めて見たのは、どこかの倉庫でした。ぎゅうぎゅう詰めになり、地べたに座り、幕が開くのを待ちました。幕の前に現れたのは、サックス奏者とベーシスト。ずぶといジャズの演奏。そのグルーブは、それだけで十分衝撃的でした。錆びれた炭鉱町から都会に出てきた少年には、全て輝いていて、心にしっかと定着されました。あの、倉庫に響いたベースに憧れて、結婚祝い休暇のとき、お茶の水でベースを買いました。そして、サックスはあれから25年。やっと手に入れたのでした。篠田昌也さんのような、民衆の中にいて前衛、そんなサックス吹きになれるといいな。そんなことを思いながら、雨があがるのを待ち、外に連れ出しました。

品井沼に行き、桜を写し、そして鶴田川の土手の上、人家がないところで、音を立てました。トンビがいぶかしげに旋回しました。前任校の音楽室でアルトをいじっていたときは「同士はたおれぬ」を吹いていたのですが、自分のサックスでは久しぶりということもあり、まだ不自由でした。気持ちの高揚感ばかりで、息が切れました。

夜、カーテンの隙間から、満月。月が目を覚ましていて、急に目が合って、どきっとしました。驚きました。田んぼには、水が入り始め、蛙たちも恋の歌を響かせ始めました。越冬おめでとう。満月が見ているよ。

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