マカオで目を覚ます2日目です。昨日と同じレストランの同じ席で朝食を取ります。昨日食べなかったものをいろいろと試します。放射能考えないで食べられることは、とても幸せです。またライチを食べました。いつもは食べないドーナツなども食べます。チーズとクラッカーがおいしかったです。ワインもついでにいただきましょう。
今日は、お父さんのスケッチに同行しました。ラザロ教会前の道端に座りました。本格的に絵を描くお父さんの様子を道行く人が覗いていきます。僕は、少しだけ離れたところで座っています。カメラであれこれ撮ります。同伴者感覚としては、修学旅行の自主研修を思い出します。ぴったりは付かず、けれども駆けつけることができる距離。暖かな日差しにうとうとしていたら、お父さんがずっといなくても大丈夫だよと声を掛けてくれました。では、ぐるりと回って来ますね。
ラザロ教会の裏の小さな教会を覗きました。墓地でした。見えない向こうのほうから、お経みたいな歌が聴こえるので、墓石の中を歩いて行ってみたら、女性のお坊さんがお経を歌っているのでした。回りには親類縁者の人たち。剃頭のお坊さんがマイクハンドマイクで歌うお経は、日本で聞くものとは違い、抑揚とリズムがはっきりしていて、鐘の音もまさにパーカッション。ラップのように届くのでした。十字架とお坊さんとラッブミュージック。そんな感じ。墓地をうろうろしていたら、マカオ初猫発見。墓石の上で、それはそれは安らいだ昼寝顔。シッャター音で目覚めさせちゃってごめんごめん。墓地の入り口で物乞いのおばあさんがいました。実は昨日も繁華街で、物乞いのおばあさんがいたんです。とっさに何もできずに過ぎてしまい、自分にがっかりしました。だから、昨日の午後からジーンズの小さなポケットには小さなコインを入れておいていました。すぐ出せるように。墓地を出るとき、さっと出して、さっと入れて、離れることができて、ほっとしました。上海に行ったとき、日本人旅行者のほとんどが物乞いを無視している中、ある女性がぱっとコイン渡して離れていって、とても清々しくかっこよかったんです。あれこれごちゃごちゃ言わずに、ぱっとシェアすることはそんなに大事ではないという無言の姿。
お父さんのところに戻りました。オランダ通りを歩きました。公園のトイレによってから、タクシーをひろいました。福隆新街に向かいました。かつて遊廓だった通り。ガイドブックをほとんど読まずに来た僕ですが、ちょいとめくったページにあった紅色の扉が、印象的でした。ホテルにも近いし、麺など食べる店が並んでいるらしかったので、向かったのです。タクシーを降りると、別行動していたお母さんとぴよさん。フカヒレスープを食べるために並んでいたのでした。あらまあ奇遇ですねぇ。でも、お父さんと僕はフカヒレなら気仙沼で十分と、お店には入らず、道端でスケッチ。ホテルが近いから、もう大丈夫というお父さん。僕はまた、ぐるりと径を歩きました。初日の夜に歩いた小さな広場を見つけました。夜と昼と様子は違うものですね。通ったことがない道を行くと、アパートの下にお堂のような小屋がありました。大きなぐるぐるお線香がもうもうと香っていました。そんな様子を写していたら、おばあさんと小さなお孫さん。お孫さんがお堂で手を合わせているところを撮らせてもらいました。おばあさんとお孫さんに手を振りました。話している言葉は分からないのですが、心が伝わることって、あります。笑顔だけで十分ってことも、あります。いや、笑顔が一番なのかもしれません。ああ、径に入ってよかった。小さな幸せ。
ぐるりと回って、またお父さんのスケッチしているところに戻りました。僕も描く用意はしてきたのですが、観光客の皆さんがよく覗きに来るんです。何となくお父さんへの注目度をキープしたくて、僕はスケッチブックを広げませんでした。お父さんが、ホテルも近いから大丈夫ですよとおっしゃるので、僕はまたぷらぷら歩きをすることにしました。電気器具の修理している店先でちょっぴり放り投げられた人間の食べ物をおいしそうに味わう猫くん発見。マカオ2匹目。セナド広場で、サトウキビジュースを買いました。さすがに英語がちゃんと通じる観光地。キウイとレモン入ってるけど、大丈夫?って聞かれて、もちろん大丈夫さと答えて、ごくごくと飲みました。
ホテルに戻り洗濯をしました。下着と靴下とシャツは、毎日洗濯。連泊の喜びですね。夜は、タイパのポルトガル料理屋さんに行くことになっていましたが、ついでにコロアンのザビエル由来の教会を回ることにしました。タクシーに乗り、伝えます。こういう場合は、漢字です。行き先書いたメモを予め用意しておきます。そして、Please,here.OK?です。コロアンの教会で10分待っていてほしいと伝えるときは、右往左往しましたが、ま、OKです。コロアンの海では、カップルが映画のようでした。昨日会った犬が、変わらない様子でだらっとしていました。教会の空色の壁、キリストさんは十字架に架けられたままでした。
コロアンからタイパへ。レストランの予約時間まで少し時間があり、お散歩時間になりました。マカオの市街地と比べて、やっぱりほっとてきます。高層ビルは体に悪いです。広い空を見上げます。夕焼けは、万国共通だな。魚屋さんの近くで、猫たちいっぱい発見しました。ちゃんと野生失っていなくて、嬉しかったな。獣から家畜になり切らない心持ちは、僕としてとても共感するのです。レストラン前にあった廃屋? いえいえちゃんと洗濯物が干されています。近くには、立ち退きを要請する貼り紙。僕は猫とともにしたたかな庶民でいたいと思うのでした。
予約していたポルトガル料理屋さんで、ポルトガルワインを開けました。野菜や魚、じゃがいもやパスタを食べました。家庭料理ですな。ほっとします。ワインは空けてしまいましたが、酔っぱらう感じ全くなしでした。心地よい。タクシーでホテルに戻りました。小さなマカオ。でも、いろんな人が暮らしているんです。
部屋に戻ってから、カメラと小銭入れだけ持って夜のお散歩に出ました。昼に賑わっていた福隆新街に行きました。昼とは違う顔をしていました。カップルが暖かそうに寄り添い、ボブディランのLPジャケットのようでした。セナド広場は変わらぬ人ごみ。バブルなお祭り騒ぎは、お金が有り余っているからではなくて、お金を落としてほしいからでしょうか。ちょいと角を曲がると、暗い路地。僕は、そっちに進むのでした。暗がりをあちこち撮り、コンビニでマカオビールを買いました。パタカのことを店員さんからいろいろ説明受けました。ホテルでMacBookProに写真を保存しながら、ぷしゅっと缶ビール。窓の向こうには、カジノの大きなホテルのネオンがすごいことになっているのでした。
写真は、今日の福隆新街の裏のほうです。こういう感じのところを選んで狭いところ細かいところに入っていくのが、僕の散歩スタイルです。